« 「魔人ハンターミツルギ」を見終えて | トップページ | 「浪花の華 緒方洪庵事件帳」 第9回「明日の華」 »

2009.03.07

「射雕英雄伝」漫画版刊行スタート!

 武侠小説の巨匠・金庸先生の代表作「射雕英雄伝」(「雕」は正しくは「周+鳥」)の漫画版が日本でも刊行されると聞き、発売を楽しみにしていましたが、このたび第3巻までが一挙発売となりました。
 作画を担当するのは李志清先生。金庸作品の邦訳単行本で挿絵を担当しており、漫画の方は日本でも「三国志」「孫子兵法」が刊行されていますが、まず間違いなく、金庸作品を漫画化するのに相応しい漫画家の一人でしょう。

 この漫画版は全19巻(!)。原作もかなりの長編ですが、漫画版はこの巻数ということは、その原作を忠実に漫画化していくということなのでしょう。

 事実、まず第1巻を手に取ってみれば、原作で描かれた一つ一つの場面を――もちろんダイジェストしている部分もなきにしもあらずですが――真っ正面から驚くほど丁寧に漫画化しており、驚かされます。
 この第1巻では、父を金兵に殺され、数奇な運命を経た末にモンゴルで暮らす少年郭靖が、江南七怪に見出されるまで。つまり序盤の序盤ですが、丘処機のb…豪快さ、江南七怪のくせ者加減、チンギス・ハーンの剛勇ぶりが遺憾なく描き出されていて、人物描写については原作ファンであっても納得なのではないかと思います。

 そして武侠ものといえばアクションですが、こちらもなかなか。失礼ながら挿絵としては格別、漫画の場合、李志清先生の描くアクション――それも常人を遙かに超えた武功の世界の――はどうなのかな、と思っておりましたが、こちらの再現度も思っていた以上でありました。
(酔仙楼でのアクションはちょっと厳しい部分もあったかなあ、とは感じますが…)

 ただ、良くも悪くも真面目な画風・作風のためか、登場人物のビジュアルに飛び抜けた個性が乏しいようにも感じられるのですが…これはまあ、これから次々と登場するさらなる奇人怪人のキャラクターに期待いたしましょう。毒物エプロンじじいとか。


 冒頭に述べたようにこの漫画版は全19巻。2月に3巻刊行された後、毎月2巻ずつの刊行とのことで、当分の間、楽しむことができそうです。
(同じ李志清先生の漫画版「笑傲江湖」もぜひ邦訳していただきたいものですが…全30巻とかになってしまうのかしら)


 ちなみに「射雕英雄伝」については、我が国でも「少年シリウス」誌で、白井三二朗氏による漫画化が開始されたばかり。こちらの出来映えも気になるところです。


 しかし、改めて見てみると丘処機って本当に…弟子世代はアレだしなあ。


「射雕英雄伝」第1巻(李志清&金庸 徳間書店トクマコミックス) Amazon
射雕英雄伝(1) (トクマコミックス) (トクマコミックス)


関連記事
 金庸健在なり 「射雕英雄伝」第1巻
 混沌の心地よさ 「射雕英雄伝 2 江南有情」
 底抜け脱線嫁取り騒動 「射雕英雄伝 3 桃花島の決闘」
 「射雕英雄伝 4 雲南大理の帝王」 荒唐無稽の中に光る人間ドラマ
 「射雕英雄伝 5 サマルカンドの攻防」 良くも悪くもの金庸イズム

|

« 「魔人ハンターミツルギ」を見終えて | トップページ | 「浪花の華 緒方洪庵事件帳」 第9回「明日の華」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/44274954

この記事へのトラックバック一覧です: 「射雕英雄伝」漫画版刊行スタート!:

« 「魔人ハンターミツルギ」を見終えて | トップページ | 「浪花の華 緒方洪庵事件帳」 第9回「明日の華」 »