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2009.03.09

「浪花の華 緒方洪庵事件帳」を見終えて

 さて、千明様ファンのタワゴトを交えつつも、最後まで感想を書くことができましたが、本作について振り返ってみれば、短い時間の中に込められるだけのものを込めた、実に中身の濃い、満足度の高い作品であったかと思います。

 原作の柱であった、事件の中から浮かび上がる当時の大坂の生の姿という要素をほとんど丸ごとオミットしてしまったのには、初めは驚いたものですが、しかしその分、章の成長に集中してドラマを展開してみせたのは、これは見事な取捨選択であったと言うほかありません。

 一回三十分という、時間的制約からくる苦肉の策であったろうとは思いますが、しかし、それをバネにしての見事なアレンジにより、原作者も認めるアナザーバージョンとしてみせたスタッフに敬意を表したいと思います。


 しかしそれを成立させることができたのも、主役二人の好演あってこそ。

 窪田正孝さんは、最初はアワアワしてばかりで「本当に大丈夫かな?」とこちらに思わせておいて、中盤からの成長ぶりでそれを全てひっくり返すという、一杯食わせものぶりに、ただただ感心。
 真摯な瞳で、自分の想いに誠実に生きようとする姿は、まさに章そのものでした。

 そして千明様は…これはもう本当にハマり役と言うほかありません。
 クールビューティーな佇まいと、そこから何かの拍子にこぼれ落ちる乙女っぽさ――当然後者は後半になって初めて見えてくる訳ですが――を、見事に表現してみせたそのお姿には、ただただ感動。
 毎週良いもの見せてもらいました…と伏し拝みたくなる、というのは大げさですが、千明様あっての左近殿、というのは万民が納得してくれるに違いないと確信しております。

 まあ、第一話に、原作になかった章をボコる左近殿というシーンを入れた時点で、このスタッフは出来ておる喃、と思っていたわけですが…


 何はともあれ、約二ヶ月という短い時間でしたが、本当に楽しい作品でした。
 正直なところ、これで終わり? 勿体ない…という気持ちもありますが、やはり惜しまれながら終わるくらいがちょうどいいのでしょう。

 もちろん、ドラマオリジナルで江戸編をやってくれるというのであれば、それはそれで大いに歓迎しますけどね!


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関連サイト
 公式サイト
 築山桂オフィシャルサイト つきやま楽所

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