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2009.04.20

「水滸伝」 第02回「蒼州の熱風」

 滄州の牢城に流刑となった林中は、ある日、牢役人の魯達と意気投合する。だが、魯達は高利貸しを殴り殺してお尋ね者になり、史進に匿われるが、史進も密告でお尋ね者になる。一方、林中の元には高求の暗殺者が現れる。ついに怒りを爆発させた林中はこれを切り捨て、脱走する。

 だいぶ間が空いてしまいましたが、NTV版「水滸伝」の感想であります。第二話は、林中(林冲)の受難が中心ですが、原典を巧みにアレンジすることで、その他のエピソードをうまく取り込んでいるのが目を引きます。

 前回ラストで流刑となった林中がまず出会うのは、九紋竜史進。
 史進を演じるのはあおい輝彦。これがまたギラギラした中に爽やかさのある存在感で、まさに史進のイメージにぴったりのビジュアルで感心です。
(ちなみにここで朱武も登場するのですが、朱武というよりビジュアル的には陳達なのはご愛敬)

 もう一人新たに登場したのは、花和尚魯智深。こちらは原典とは違い、牢役人という設定で、林冲と知り合うくだりもだいぶ異なりますが、豪快さと人の良さは相変わらずといったところ。
 こちらを演じるのは長門勇。「三匹の侍」でもお馴染みのあのムク犬めいた愛嬌と迫力のある容貌は、なるほどこれはこれで魯智深しているかも…

 さて、原典での登場順、エピソードの展開順は、史進→魯智深→林冲となっており、特に史進と林冲が出会うのはだいぶ先のこととなります。しかしこのドラマでは、登場順と人物配置をいくつか変えることにより、林冲の物語と、史進そして魯智深の物語を同時並行的に描いているのが面白いところ。
 銘銘伝的構成であった原作と異なり、このドラマ版では林冲が主人公であるゆえの違いですが、それが違和感なく描かれているのには、ちょっと感心しました。

 さて、その主人公たる林冲は、原典以上に義の人、というイメージ。あくまでも法に従い、決して逆らうことなく――懐に金があるのに、賄賂を使おうとしないというのが、またらしい――静かに刑に服すという心の掟を自らに課し、静かに耐える姿が印象的です。
 それが、高求の奸計により妻が汚されたと知らされた瞬間、その掟を破って怒りを爆発させるラストの展開には、悲しいカタルシスがありました。
 ついに高求の暗殺者を斬り、牢を破った林冲がどこに行くのか…それはまた次回。


 ちなみに今回、史進・魯智深・朱武に扈三娘を加えた四人のやりとりが、実に「水滸伝」してていいのです。
 天下国家を論ずるのもいいけど、やっぱり「水滸伝」はこういう江湖の豪傑たちが好き勝手に暴れる話でなくっちゃ。


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