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2009.04.03

「舫鬼九郎」第1巻 魅力的なるビジュアライズ

 「コミック乱ツインズ」誌で連載中の漫画版「舫鬼九郎」の第一巻の登場です。原作は高橋克彦先生の同名小説、漫画化を担当するのは岡村賢二先生と、ベテラン同士ががっちり組んだ好コミカライズであります。

 吉原近くで発見された若い娘の惨殺死体。首を落とされた上に、背の皮を剥がされたその死体が発見された現場で、死んだはずの大力士・明石志賀之助を目撃した幡随院長兵衛は、事件に大きな裏があると睨みます。
 事件を探り始めた長兵衛の前ですが、その前に現れたのは、短筒を操るカブキ者・天竺徳兵衛、隻眼の剣鬼・柳生十兵衛、そして異装の美剣士・舫九郎と、いずれも一癖も二癖もある面々。九郎の人となりに惚れ込んだ長兵衛は、彼と共に事件の謎に挑むのですが…

 と、伝奇時代劇の王道を行くような痛快極まりない大活劇の本作。原作は十五年以上前に発表された作品で、私もだいぶ以前に読んでいますが、しかし原作既読であっても――もちろん未読であっても――実に楽しい漫画として、成立しています。

 元々原作自体、個性豊かなキャラクターたちが入れ替わり立ち替わり登場する作品であったのですが、それを見事にイメージ通りに、いやそれ以上に魅力的にビジュアライズしてみせたのは、岡村先生一流の筆。

 特に、主役級の登場人物の中で唯一架空の人物である主人公、鬼九郎こと舫九郎は、白面の貴公子を絵に描いたような爽快で――しかしどこか謎めいたキャラクターが、見事に漫画の中に復活していて、感心させられます。
 特に、鬼九郎の最大の特徴の一つである、着流しの下にワイシャツという特徴ある――そして一歩間違えたら悲惨な外見になりかねない――ビジュアルが、ごく自然に、格好良く描かれているのが嬉しいところです。


 物語の方は、この第一巻で大体原作の半分あたりを消化しており、次の巻で原作第一部の漫画化は完了ということになるのだと思いますが、しかし原作はその後もまだまだ続いています。少々気が早いですが、原作第二部、第三部もぜひ岡村先生の手で漫画化していただきたいものです。


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