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2009.05.23

「必殺仕事人2009」 第17話「ゴミ屋敷」

 久々に感想を書く気がする「必殺仕事人2009」、今回のサブタイトルは「ゴミ屋敷」。
 …また(微妙な)時事ネタ? という印象ですが、しかし時事ネタでも油断できないこの番組、主水さんと顔なじみの裏稼業の女の登場というだけでwktkでしたが、そこにさらにひねりが加わって、印象深いエピソードとなっていました。

 旗本の空き屋敷に住み着き、そこをゴミ屋敷に変えた女・あやめ(加賀まりこ)。主水とも顔見知りのあやめの正体は、いわくつきの死体を闇から闇へと葬る始末人(not田原俊彦)。なるほど、仕事人とは縁のある商売です。が、ゴミの悪臭に紛れて死体を始末しようと言うのですからすさまじい。

 しかしあやめのゴミ屋敷には、便乗してゴミを捨てにくるどころか、扱いに困った老人を捨てにくる連中が。あやめは雇った若者たちとともに、そんな老人たちを世話して暮らすことに…というのが、今回の基本設定であります。

 これだけであれば、微妙にリアリティのある切ない話ですが、もちろんそれで終わるわけはない。あやめが老人たちとの生活資金に使っていたのは、凶賊・土蜘蛛の十兵衛が隠した五千両――その金を取り戻すために、土蜘蛛一味の魔手があやめたちに迫ることになります。

 最初に述べたように、主水とあやめは昔なじみ…というだけでなく、裏稼業を続けながら、老境まで生き延びてしまった、という共通点を持つ間柄。そんな二人だからこそ醸し出せる独特の空気感・距離感は、間違いなく今回の見所の一つでしょう。

 しかし個人的に今回一番引き込まれたのは、姥捨て山となったゴミ屋敷に集った老人たち。家族に捨てられ、あるいは家族の迷惑とならぬよう自分から家を出て、行き場をなくした老人たちの姿は、老人ネタには弱い私の涙腺に直撃しました(特に「長生きしちゃってごめんなさいね…どうやったら死ねますか?」は卑怯すぎる)。
 そんな老人たちが寄り添い、力を合わせて生きる姿は「一夜限りの夢」であっても…いやだからこそ、胸に響くもの。彼らとの出会いが、あやめが生き方を変えるきっかけとなったのも大いに頷けます。

 それが結局命取りになるわけですが(個人的には、あやめと老人たちがあまりにも無策のまま殺されるのが違和感、というか残念でしたが…演出的にもっと引っぱってもいいのではとも感じましたが、実際それをされたらまた泣かされるからやっぱりいいか…)、しかしおかげで今回の仕事のテンションとこちらの感情移入度は最高潮(それを煽るようにBGMもこれまでとは別の過去曲を投入!)。

 特に、匳は、技自体はいつもの糸による首締めですが、首に糸をかけながら相手の獲物を蹴り飛ばし、相手を組み伏せて(ここでまさかまさかの透明板を使って真下からのアングル撮影!)絞め殺すというシーケンスが抜群に格好良かった。
 今回、主水に次ぐ主役級の扱いだったのが、この匳。あんなナリで実はお人好しというキャラ設定をうまく使って、老人たちの世話を焼く姿が描かれたのですが、そんな彼だけに、感情むき出しでぶつかっていく姿が実に印象的でした。
 匳の仕事シーンのわかりにくさは当初から言われていたことですが、もうスタイルとかパターンとか拘らずに、感情の赴くまま動くのがいいのでは…と思います。

 その他のメンバーも、涼次の豪快すぎる大落下心臓刺し、一発で心張り棒を外す呼吸がいかにもプロな小五郎無双、障子の使い方はさすがの主水さんと見どころ多し。エンディングで、あやめたちの墓の前に佇む(また人を見送る立場になってしまった)主水の姿も素晴らしく、大いに満足いたしました。


 次回は何と殺しのターゲットが小五郎というトリッキーな内容で、これまたひねった展開に期待します。。


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コメント

はじめまして、こんばんは。

今回の2009は音楽や映像など、
結構いろいろな定番を外してくれて、
自分も面白く視聴できました。

最終回も近くなってきて、
まだまだ面白く見せる方法はあるんじゃないか…
と、今回の話を見て思いました。

次回は小五郎主役編のようですね。
哀川翔氏の演技にも注目したいところです。

追伸、同様の記事を書いておりますので、
トラックバックさせていただきますm(__)m

投稿: にっくん | 2009.05.23 23:43

はじめまして。コメント&TBありがとうございます。

一時期に比べると結構トリッキーな印象も多い2009ですが、今回は特に色々とやってくれた感はありますね。
あとほぼ一ヶ月で終了のようですが、ラストを楽しみにしているところです。

来週も曲者エピソードっぽくて楽しみですね

投稿: 三田主水 | 2009.05.25 00:56

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= はじめに = 今週、7月からのドラマ… 必殺仕事人2009の後番組の制作発表がありました。 小泉孝太郎氏による通販トラブルを扱う現代劇だそうです… 6月いっぱいまでとして2009も残りが、多くて5回。 全22話というところでしょうか? そんな、最終回も近づいた今回第17話ですが、非常に2009の話の中でも、 良い出来だったように感じました。 今回も、あくまでにっくんの私見として書いていきます。 もちろん、未見の方はご注意を! また、記事はかなりの長文になりそうです。 ..... [続きを読む]

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