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2009.06.10

「水滸伝」 第07回「小旋風と黒旋風」

 梁山泊との関係を怪しんだ高求の罠にはまり、閻婆惜を殺してしまった宋江。宋江は都を捨て、横海県に住む友人の柴進に匿われ、そこで鉄牛と出会う。しかし宋江を追う何濤は、柴進を疎ましく思う知事の洪全と結び、罠をかけて柴進を捕らえてしまう。柴進を救うため、死人河原に赴く宋江と鉄牛に襲いかかる官軍。しかしそこに駆けつけた林中と扈三娘、阮小五らが何濤と洪全を蹴散らす。林中は宋江の気持ちが熟するまではと彼を見送り、鉄牛を連れて梁山泊に帰るのだった。

 NTV版「水滸伝」、今回からしばらく続くのは宋江の受難編。
 本作では地方の小役人ではなく、刑部きての調べ上手で都の女の間でも知らない者がなく(閻婆惜談)、かつては学問所一の秀才(柴進談)という、原典からすると嘘くさい宋江ですが、こちらでもやっぱり閻婆惜を――晁蓋や林中に迷惑をかけないためというエクスキューズはありますが――ヌッ殺して逃亡する羽目になります。

 さて、そこで宋江が頼るのは、大周皇帝の末裔・小旋風柴進の屋敷。初登場の柴進は、田村高廣が演じていますが、柴進の高貴なイメージをなかなかうまく再現している印象です。その一方で、自身も武器を取って戦う(無手で洪全のもとに赴いて、隙を見て武器を奪って人質にしてしまうのは凄い)武闘派のイメージもあるのが面白い。
 もう一人初登場は、旋風繋がりで黒旋風の鉄牛。本作ではスキンヘッドなので初登場時は魯智深二号かと思いましたが、二丁斧をブン回す一方で、自分が可愛がっている牛と無邪気に戯れる(というかこのシーン、鉄牛のテンションが異常)姿は、なかなか鉄牛(李逵ではなく)的で良かったと思います。

 さて、お話の方は、その宋江を捕らえようとする何濤(原作同様、流刑地を空けた入れ墨を彫られるという崖っぷち状態なのですが、そんなことは全然気にしてない調子に乗りっぷりがすごい)と、何かと邪魔な柴進・鉄牛を除こうとする洪全の二人の悪人が手を組んで宋江たちを苦しめるという内容。
 全般的にキャラの出入りが多くてちょっと粗く、騒々しい印象のエピソードではありましたが(監督が中川信夫なんだよなあ…)、何人もの豪傑が、自分の持ち味を出しつつ暴れ回る姿を見るのはやはり楽しいもの。

 細かいところでは、原典では悲しい死を遂げた鉄牛の母が、柴進の母に着物をもらったおかげで人違いで人質にされる(しかしそれでも自らの身を擲って救いに行く柴進!)というひねりがなかなか楽しめました。


 さて、かなりキャラクターが増えてきたので、その他の豪傑については以下に。ちなみにドラマの方でも、今回から劇中でキャラクター名と俳優のテロップが出るようになりました。

・林中&扈三娘
 宋江の危機を知って馳せ参じようとするのですが、途中で拾った木の実を食って腹を壊しのたうち回るというナニっぷり(この時、宋江宋江と半狂乱で叫ぶ姿が色々マズい)。かろうじて死人河原(素晴らしいネーミング)での決戦には間に合って安心しました。
 扈三娘は相変わらずKYな林中には相手にされず…それでも、「林中あるところ一丈青扈三娘あり」とか言って一緒に飛び出していくのが可愛過ぎます。

・雷王&朱同
 以前から顔を見せていたお馴染みのコンビですが、何故か今回から名前が修正。雷横かっこよくなったなあ…。何濤に引っ張られて宋江を追いますが、もちろん真面目に追う気はなし。
 同じやる気がなくても、無駄に威勢が良い雷王と、あからさまに無気力な朱同の対比が愉快です。決戦で、宋江や柴進側で戦ったようですが、ラストに林中について行ったのは雷王だけだったように見える…

・阮三兄弟
 何故か三人同時に登場しない三兄弟。まず小二と小七が登場、朱貴の店でサボる雷朱コンビを見つけて大げんかになるのですが、この辺りの頭の悪さというかグダグダっぷりがある意味水滸伝チックで素敵。
 そして横海県では小五と小七が、いつの間にか柴進の屋敷に潜り込んで助っ人に。決戦にもいつの間にか加わって、その辺で暴れていました。


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