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2009.06.19

「水滸伝」 第08回「青州の妖精」

 旧友の花栄を訪ねる途中、清風山の山賊に捕らわれた宋江。山賊の食客となっていた史進に救われた宋江は、捕らわれていた清風鎮の長官・劉高の妻・秀蘭を逃がすが、彼女は花栄を陥れるため、宋江を山賊として告発してしまう。一度は花栄らに救い出された宋江だが、その前に青州の警備総長・黄信が現れる。黄信により只の山賊として捕らわれた宋江が花栄と共に護送されるが、林中らが救出に駆けつける。救い出された宋江は、遂に梁山泊入りを決意するのだった。

 原典の青州編をベースにした今回のエピソード。堅実に原典をドラマ化する一方で、そこに史進や鉄牛といったスパイスを放り込むことによって、活劇要素も増やしているのが面白いところです。

 が、今回個人的に一番印象に残ったのは、川村真樹演じる劉高の妻・秀蘭のキャラクター。
 基本的には原典通りの行動なのですが、ドラマの方では、山賊(演じるは天本英世先生! なのですが粗暴で好色なキャラはちょっと似合わないような。赤系統のファッションはなかなか格好いいのですが)に我が身かわいさからあっさりと身を任せ、宋江によって解放されるや、そのことを暴かれまいと宋江を口封じしようとする、何とも生々しいキャラクターにアレンジされていました。
 ちなみに原典では、バッサリと斬られて終わりなのですが、ドラマでは史進に髪(髷)を切り飛ばされるだけで終わっています(史進は以前に女性で悲しい想いをしているので、斬れないんだろうなあ…と想像させてくれるのがまたうまい)。

 そんな黒いヒロインがいる一方で、普通のヒロイン並みに襲われまくり、捕まりまくっていたのが宋江。数分に一度災難にあっているような印象で、道を聞いた木こりにまでいきなり襲われるのには腹を抱えて笑いました。そうか宋江はヒロインだったのか…<それでは悲華水滸伝になってしまう

 それはさておき、今回初登場した好漢は、原田大二郎演じる、ちょっとメイクが濃いですが若武者ぶりが凛々しい花栄と、峰岸隆之介(現・峰岸徹)演じる口髭がダンディーな黄信の二人。
 今回は、密かに宋江を尊敬する黄信が、劉高に宋江の正体がばれていないのをいいことに、単なる山賊として捕らえる(=刑が軽く済み、それと共に花栄の罪も軽くなる)というクレバーな立ち回りを見せたのが印象に残りますが、キャラ設定的には、(ベースである横光水滸伝同様)霹靂火秦明も兼ねている黄信。今後の成り行きが気になります。ちなみに花栄は梁山泊に入らず、都の妹(=黄信の妻)を訪ねるということで、この二人、近いうちに再登場ということになります。

 しかし「青州の妖精」って一体…? (普通に考えれば秀蘭ですが、まさか宋江のことではあるまいな…)


 以下、個々の好漢について

・林中&扈三娘
 ここ数回は、「最初と最後に出てきて話をまとめる人」的立ち位置。あまり目立たず。

・史進&鉄牛
 失恋の痛手を癒すための一人旅の途中、宋江に出会って騒動に巻き込まれる役回り。とにかく、居候のくせに全く周囲の言うことを聞かない清風山での暴れぶりが痛快。今回ようやく梁山泊入りしますが、その時にしれっと扈三娘の手を握るのも愉快です。
 その史進と酒場で大喧嘩をやらかした鉄牛。原典にない出番をもらったわりにはあまり目立たないのですが、このシーンの二人は実に頭が悪くて最高です。やっぱり水滸伝はこうでなくては!

・清風山の山賊
 原典とは違い、弱い者を襲うわ女は弄ぶわと本当にダメなただの山賊連中で終わった人たち。史進に頭が上がらず、宋江らを逃がした後は物語からフェードアウトです。
 首領の白面郎は、名前こそ白面郎君鄭天寿ですが、言動は矮脚虎王英(扈三娘との関係で名前が変わったのかしらん)。しかも配下に鄭というのがいるのもややこしい。燕順も登場、秀蘭の侍女を弄んだほかは対して印象なし。


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コメント

三田さん、はじめまして。毎回楽しく拝見させて頂いております。

白面郎についてですが、たぶん、王英がジャイアニズムを発揮して、鄭天寿から2つ名を奪ったんじゃないでしょうか。

今後とも、宜しくお願いします。

投稿: aus_wald_held | 2014.08.16 10:48

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