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2009.07.03

「水滸伝」 第09回「宋江、危機一髪」

 梁山泊に脅威を感じ始めた高求は、新任の禁軍参謀・黄文炳の策により、宋江を利用して林中を誘き寄せようと謀る。父危篤のニセの報せに梁山泊を飛び出して故郷に向かった宋江は、官軍に捕らわれてしまう。裁判の結果江州に流罪となった宋江を奪還しようとした林中らだが、黄文炳の罠が張られていると知り、やむなく見逃す。一足先に江州に入っていた戴宋は、旧友の張順の紹介で牢獄の看守長に収まり、宋江を守護する。しかし黄文炳は宋江に謀反人の濡れ衣を着せ、激しい拷問にかける。宋江の命運や如何に…

 原典での江州篇をベースに展開される今回のエピソードは、このドラマ初(?)の前後編的エピソード。今回は、江州に流刑となった宋江が、罠にはめられ、謀反人として捕らわれてしまうまでが描かれます。

 そんなわけで、ここ数回同様ひどい目に遭わされる宋江は、今回も捕らわれのヒロインポジション。とにかく災難を呼び寄せるのは、もはや体質のように思えてきます。
 原典での宋江の受難は、自業自得的側面もかなりあるのですが、今回は、林中を誘き出すための囮とするためニセ手紙で故郷に呼び出されたり、全く身に覚えのない知事暗殺未遂の罪で謀反人扱いされたり…特に後者は、原典では酔っぱらって謀叛の詩を酒楼の壁に書いたのが元で捕まるという情けない展開なのですが、このドラマ版ではその辺りはばっさりカットされているので、完全に被害者であります。

 そんな宋江迫害の主犯となるのが、今回のエピソードのある意味主役とも言える黄文炳。原典では江州の小悪党でしたが、ここでは禁軍の参謀として登場という大出世(?)であります。
 そしてその黄文炳を演じるのは、ミスター悪代官・川合伸旺。いやー憎たらしい! そしてくどい! もんのすごいもみ上げと目張りで、見ているだけで胸焼けがしてくるような存在感は、さすがとしか言いようがありません。

 それに抗する梁山泊側のニューフェイスは、張順。原典同様、江州の漁師の元締めという設定ですが、かなりべらんめえ調の人物で、渾名の浪裏白跳からはちょっと違うイメージではありますが、しかし、いかにも荒くれ者を束ねる男伊達っぷりが気持ちいいキャラクターです。
 原典での初登場シーンである市場での喧嘩の相手は、鉄牛から武松に変更されていましたが、水の上なら無敵、というのはそのままでした。

 そして、その張順のケンカ友達なのが戴宋。原典ではここで初登場でしたが、ドラマの方では既に梁山泊の一員として登場していたため、わざわざ牢獄の看守になるエピソードが入ったのはちょっと可笑しかったのですが、これまでは脇役的だった印象がここで一変。
 牢獄長を強請った相手を叩きのめしておいて、「この次は人を見て強請るんだよぉ…元気でな」とニコニコ語って去っていく辺り、まだアイパーバリバリだった頃の黒沢年男の、ワイルドかつすっとぼけた男っぷりが実に格好良いのです。
 宋江の入牢時に、賄賂を抜きに百叩きにかけようとする部下たちに、そういう悪い習慣は改めないといかん、地獄の沙汰も金次第は万国共通の原則だ、とすっとぼけたことを言い出すのも楽しいシーンでした。


 さて、上記の通り、宋江が窮地に陥ったままで終わってしまった今回。原典ではここで呉学人の迷采配が炸裂するのですが…あ、ドラマ版は呉学人いないんだった。


 ちなみに今回、宋清が宋江の実家のシーンで地味に登場。青い衣装だけが印象に残る普通の人でした。扈三娘により、父ともども梁山泊に誘われたようです。


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