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2009.07.29

「白獅子仮面」 第10話「河童の皿の光るとき」

 江戸中の米という米を奪う妖怪河童の跳梁により、深刻な米不足となった江戸の町。幕府は御用米の輸送隊の警護に御庭番を派遣するが、大岡邸に忍んだ河童により情報が漏れ、無惨に殺されてしまう。自ら輸送隊の護衛に向かった兵馬は、河童が化けた自らの偽者の妨害を受けつつも、江戸に向かって出発する。しかし途中に出現した河童の群れに輸送隊は壊滅、兵馬も水中に引きずり込まれる。水中で変身した兵馬は河童を全滅させるのだった。

 何ともすっとぼけたタイトルの今回ですが、内容は本作定番の火焔大魔王の江戸壊滅作戦を巡る奉行所と妖怪たちの攻防戦。
 今回は、米屋から町人の台所まで、江戸の米を奪い尽くして人々を飢餓に苦しませようという作戦であります。…麦を食べればいいのに、とマリー・アントワネットのような感想も浮かびますが、当時の日本の中では白米を食べている率が高かった江戸を狙った作戦なので、これでいいのでしょう。きっと。

 さて、今回登場の妖怪河童(兵馬は作中で「ようかいがっぱ」とワンフレーズとして呼称)は、本作の妖怪らしく、えらく凶悪・凶暴な存在としてアレンジされています。口からは緑色の溶解液を噴出し、体は刀や手裏剣をはじき返す堅さを持ち、水中からの奇襲で、おそらくは手練れであろう御庭番三人を瞬く間に血祭りに上げる活躍(?)です。
(ちなみにタイトルの由来は、河童たちが頭の皿に陽光を反射させて互いに合図を送るところから。頭の皿が乾かないのかしら。)
 この御庭番襲撃に当たっては、大岡邸の井戸に忍び込んで、そこで体を縮小して(!)井戸の釣瓶から花挿しに忍んで、御庭番派遣の情報を盗み聞きするという頭脳プレーをも見せてくれます。

 しかし――今回は妖怪のキャラクターはともかく、ストーリー展開としてはどうも突っ込みどころが多い印象。
 あれだけ江戸の町が危機に陥っているというのに、御用米の輸送隊は小規模で、応援に向かうのも兵馬一人(まあ、他の人間を派遣しても皆殺しにされるのは目に見えていますが)。その兵馬に対しては、河童が偽兵馬(というより自称兵馬)に化けて妨害するのですが、昼日中も頭巾を被っているので怪しいのがバレバレ…

 それ以上に困ってしまうのは、河童が潜んでいることがわかっている池の脇の道をわざわざ通って、案の定襲撃を受けてしまうシーン。しかも兵馬、「この場は私に任せて、あなた方は江戸へ!」と格好良く言いつつも、結局輸送隊はその眼前で皆殺しにされてしまうという有り様…

 こういう突っ込みをするのは不毛の限りなのですが、これまで描かれた江戸の水や油を奪う妖怪たちとの攻防戦に比べると、ずいぶんと描写が粗いな…と感じてしまったのが正直なところです。

 ちなみにラストの戦いでは、河童の頭目が少し距離を取って、指でカモンカモンとやっているところに、いきなり顔面に手裏剣投げ→滅多斬りという白獅子仮面の残虐ファイトに噴きました。
 そして河童を全滅させ、莞爾と笑みを浮かべる兵馬…いや妖怪は全滅したけど。米も何とか残ったけれども。うーん。


<今回の妖怪>
妖怪河童

 火焔大魔王の命で、江戸を米不足にさせるべく暗躍する。口からの溶解液と、刀や手裏剣をはじき返す体の固さが武器。普段は水中に潜んでおり、頭の皿に光を反射させて、離れた仲間と意思疎通を行う。その他、体の大きさを縮小して花挿しの中に潜んだり、催眠術で輸送隊を操るなど、様々な術を操る。
 水中に引きずり込んだ兵馬に対し、両腕を二匹で押さえてグルグル回す「必殺水車」で苦しめるも、白獅子仮面には歯が立たず、一掃された。


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