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2009.08.29

「がま剣法」朗読CD うってつけのアクの強さで

 南條範夫先生の「駿河城御前試合」が、「シグルイ」として「チャンピオンRED」誌上で漫画化されていることはいまさら言うまでもありませんが、その縁で、このたび作中の一編「がま剣法」が同誌の付録として朗読CD化されました。
 「駿河城御前試合」の朗読CD化では、丁度二年前の「無明逆流れ」に続く二回目であります。

 「がま剣法」については、「シグルイ」中でアレンジされた形でエピソードが取り入れられていますが、「がま」と呼ばれる異貌の怪剣士・屈木頑之助と、駿河藩槍術師範の笹原修三郎(「シグルイ」では数少ない常識人として色々苦労中)の対決を描いた一番。
 その実力にも関わらず、己の醜貌を嫌われて舟木道場の娘・千加への恋を否定され、復讐鬼と化した頑之助の怪剣に、修三郎の槍術がいかに立ち向かうか…そのドラマを朗読するのは、声優の銀河万丈氏。

 一般には「開運! なんでも鑑定団」などのナレーションの人、なのかもしれませんが、個人的には往年のサンライズアニメでの活躍と、PCエンジンCD-ROM2での大活躍(ジジイゲーマーの繰り言)が印象的な方であります。
 得意とするのが、アクの強い個性派キャラという万丈氏ですが、なるほど、その意味では「がま剣法」はうってつけかもしれません。

 さて、その万丈氏ですが、あの重厚な声は作品世界に実によくマッチして、前回の若本規夫氏の朗読同様、大ベテランの味というものを堪能させていただいた、という印象。
 ヒロイン・千加の声はさすがにちょっと厳しいものはありますが、この辺りは文楽の義太夫節、浄瑠璃語りでのそれと思えば良いのでしょう(ちなみに万丈氏の趣味が謡と知ってびっくり)。

 一方、本作の主人公と言える頑之助についてはさすがに頑之助のしわがれ声の中に感情を込めるのは少々難しかったのかな、という印象もあり、頑之助の存在がかなり怪物サイドに傾いていたかな、と感じます。
 とはいえ、原作でも頑之助に対して必要以上の感情移入はせず淡々と、彼の凶行と最期を描いていたことを考えれば、これも原作に忠実、と言えるのでしょう。


 さて、冒頭に述べたとおり、前回のCD化から丁度二年。第三弾もまた二年待たされるのかな(今度は登場キャラ的に「峰打ち不殺」かしらん)…と、そもそも次があるかわからないのに勝手に想像してしまいますが、それだけのクオリティのものであった、ということであります。


 ちなみに今回も第二付録として肌も露わな女の子のクリアファイルがついてきて扱いに困ったのですが、さすが「チャンピオンRED」だなあ。

「がま剣法」朗読CD(南條範夫原作 「チャンピオンRED」2009年10月号付録)


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