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2009.09.15

「風が如く」第4巻 クセ球のようで剛球一直線!

 石川五右衛門と仲間たちの大冒険奇譚「風が如く」も、ついに本編に入って第四巻目。かぐや姫の五つの宝物を巡る争奪戦の第一番は、仏の御石の鉢を巡っての柴田勝家との対決ですが…

 もちろんただの勝負になるわけがない本作、舞台となるのは何と鬼ヶ島! もちろん鬼が群れなして棲む鬼ヶ島に五右衛門と共に向かう新たな仲間は、桃太郎の子孫の女の子・桃太子さん…と、一歩間違えたらギャグになりそうなところを、強引豪快なパワーできっちりと魅せてくれるのは、これは米原作品ならではの楽しさでしょう。

 しかも、柴田勝家は実は鬼だった! という驚天動地の設定まで飛び出してくるからたまらない。勝家の異名が鬼柴田、というのはよく知られた話ですが、本当に勝家を鬼にしてしまったというのは、これはコロンブスの卵というか何というか…いやはや、脱帽です。

 物語の方は、仏の御石の鉢の魔力に憑かれて暴走した勝家により凶暴さを取り戻した鬼たちが人々を襲う中――ちなみにこの混乱の中で絶望した村人たちの姿が実に厭な描き方で印象に残ります――五右衛門一派が鬼ヶ島に殴り込み、仏の御石の鉢を賭けての勝家との一騎打ちという展開。

 思わぬアクシデント(というかヘタレの文字通りの転落)で奈落に落ちた宝物を、信じる仲間たちに任せ、自分は囚われの人々を救うため怪物と化した勝家に一人挑む五右衛門の姿など、実に少年漫画の王道展開ではあるのですが、そういう熱さとは無縁に見えたあの五右衛門が…! というのが何ともグッと来るのであります。

 クセ球のようでいて、剛球一直線――本作の魅力は、この巻でも健在ですし、そしてそれはこれからも変わるまいと、信じることができます。

「風が如く」第4巻(米原秀幸 秋田書店少年チャンピオンコミックス) Amazon


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