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2009.09.16

「武闘占術伝ヒイロとナナシ」 エンジンがかかる前に…

 タムラサカウエ将軍の屋敷が謎の一団に襲われ、将軍の息子チハヤのみが、親友ヒイロの犠牲で一人生き延びた。それから五年、ヒイロを名乗り、復讐のため父から伝承された奥義を磨いていた彼は、ある日、都を荒らし回る盗賊団と出会う。その中に、占術を操る不思議な少年ナナシがいた…

 「週刊少年チャンピオン」誌で短期連載された永久保貴一原作、とうじたつや画の和風ファンタジーアクションです。

 平安(といいつつ登場する都が奈良京=平城京なのはさておき)を舞台とした本作。原作がオカルト・ホラーを得意とする永久保貴一先生だけあって、武術合戦の中に占術(というか陰陽道)の理論を持ち込んだり――それゆえ副題は「武闘占術伝」――暴走した山の神を反閉で封じるシーンがあったりと、諸処に「らしい」場面があるのが目を引きます。

 また、主人公ヒイロが操る家伝の武術・アイキの描写も、己と相手の気を同調させることで、相手の体を操るというアイディアがユニークです。

 このように、色々と目を引く点はあるのですが、しかしエンジンがかかるのが間に合わなかった、というのが正直な印象。
 キャラクターが出揃い、物語の全体像が見える前に、連載が終了してしまった、という形です。
(これは元々短期連載だったのかもしれませんが、内容がそれを延長させる力に繋げられなかったのでしょう)

 ヒイロが、もう一人の主人公である占術使い・ナナシと力を合わせ、占術ロジックで父の仇を討つラストバトルは、「武闘占術伝」の名にふさわしく盛り上がったのですが…

 絵もなかなか達者だっただけに、せめて単行本もう一巻分続いて欲しかった…と、勿体なく感じた次第です。
(短期連載に冷たいチャンピオンにしては、ちゃんと単行本が出ただけでも御の字かもしれませんが…)

「武闘占術伝ヒイロとナナシ」(とうじたつや&永久保貴一 秋田書店少年チャンピオンコミックス) Amazon
武闘占術伝ヒイロとナナシ (少年チャンピオン・コミックス)

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