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2009.10.13

「水滸伝」 第18回「風雲・高唐州!」

 柴皇城の娘を守り高唐州に赴いた林中は、迫る官軍を前に、農民たちを率いて梁山泊へ向かう。官軍に梁山泊軍の主力が抑えられる中、扈三娘と鉄牛は公孫勝を迎えに行く。公孫勝の師・羅真人に翻弄される三人だが、彼らの熱い想いに公孫勝は下山を許され、高廉の軍に包囲された林中の下に駆けつける。公孫勝は仙術で官軍を翻弄、林中も羅真人の密かな助力により高廉を倒し、無事梁山泊にたどり着くのだった。

 vs高廉戦の後編とも言うべき今回は、しかし、派手な戦いよりも、農民たちを率いて梁山泊へ向かう林中のレジスタンス的な戦いと、公孫勝を迎えに向かった扈三娘らの姿の二つを平行して描いた、なかなかの異色篇でした。

 冒頭、一種の自治を許されていた高唐州を接収せんとする高廉の軍に対し、無名の割に猛烈に熱いテンションで抵抗を訴える農民たちと、彼らに対し、どうせ捨てる命であれば梁山泊で共に戦おうと、静かにしかし熱っぽく語る林中の姿が、早くも今回のハイライトの一つ。
 林中の孤独な戦いが草の根に行き渡ったという意味で、重要なシーンであります。

 しかし普段は自分や仲間たちと無双状態の林中ですが、これまで農具しか持ったことのない農民たちを率いるのは勝手が違う様子。
 官軍の部隊に対し必死の夜襲をかける際に、人だと思うな、薪だと思え、藁人形だと思えと農民たちに語るシーンは、普段の活劇とは全く異なる重さに驚かされます。


 一方、公孫勝回りのエピソードは、戴宋の代わりに扈三娘が入ったものの、概ね原作に近い内容。
 しかしその扈三娘のおかげで、思わぬ展開に…簡単に言えば「公・孫・勝!! 公・孫・勝!!」といったところでしょうか(何言ってるんですか三田さん)。

 林中救援のために公孫勝が必要とかき口説く扈三娘に対し、彼女の覚悟を試すための発言が、何だかどんどんエロ方向に転がっていく羅真人。
 売り言葉に買い言葉で、すげえ気迫の籠もった表情で衣装を脱いだ扈三娘の肩までが映ったところで「立てぇ扈三娘!」と叫ぶ羅真人にはひっくり返りました。

 ちなみにこの羅真人を演じたのは、名バイプレイヤー・伊藤雄之助。
 単に脱俗した仙人というわけでなく、人情の機微に通じ、俗っぽさも残した「クソ仙人」を、時に風格たっぷりと、時に飄々と演じていて、物語の後半をさらっていった感があります。

 ちなみに満を持して下山した公孫勝ですが、原典のように高廉と派手な仙術合戦を繰り広げるでもなく、逃走する百姓の幻を見せたり、官軍の同士討ちを誘ったりとサポートレベルの幻術に終始したのがちょっと残念。

 というより、周囲を闇に包んで林中を襲う高廉の幻術を打ち破って林中を救ったり、官軍の兵士を全て眠らせたりしたのは、こっそり下山してついてきた羅真人だったという…

 高廉が「北瞑の氷と岩で鍛えられた俺の術」とかいちいち格好良い台詞を吐く一方で、知らないところ高廉の術が敗れていて「いやそれは私のせいでは…」とか言っちゃう公孫勝のへっぽこぶりは、呉先生をキャラ的に吸収合併したせいなのかしらん。


 ちなみに今回久々に登場の鉄牛、しばらくみないうちに顔がずいぶんと黒くなっていましたが、ちょっと革ジャンっぽい新コスがかなり格好良かったのでした。

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