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2009.10.22

「水滸伝」 第19回「帰らざる将軍」

 遼の侵略が進む中、高求はやむなく呼延灼を招く。連戦連勝を重ねる呼延灼を苦々しく思う高求は呼延灼の息子・呼延儀が実は山賊の子であることを暴き、それを盾に彼に梁山泊を攻撃させる。戦いに敗れた呼延儀は一切を林中に語って息を引き取る。息子の死を知った呼延灼は林中と剣を交えるが、林中の覚悟を知って剣を引き、いずこかへ去っていくのだった。

 いよいよクライマックスが近づいてきた感のある「水滸伝」ですが、第十九回にして、第一回に登場した呼延灼将軍が再登場。本作では林中の上司という設定の呼延灼ですが、今回は息子と二人、ほとんど主役をさらってしまった感があります。

 原典では連環馬戦法で梁山泊をさんざん苦しめた呼延灼将軍、横山光輝の漫画版ではその際の不気味な鉄仮面姿が印象に残りましたが、本作ではそうした呼延灼の記号は一切ないにも関わらず、無骨な武人イメージを見事に再現していたかと思います。

 そして今回のもう一人の主役が、オリジナルキャラの呼延儀。偉大な父を敬愛し、目指している颯爽たる若武者で、近衛士官として出仕しているという設定。
 呼延灼は彼を対遼戦――ここで遼を持ってくるセンスに感心――に伴うことを望みますが、高求は人質とするため、呼延儀を手元に残したことが、悲劇に繋がります。

 実は呼延儀は、かつて呼延灼に斬られた五台山の盗賊の頭目・王遷とその妻・孫五娘(「琵琶記」の登場人物…というよりやはり孫二娘のもじりかしらん)の遺児。
 自分も知らなかった出生の秘密を知らされ、それが、父の出世の妨げとなると知った呼延儀は、高求の言うままに梁山泊に攻撃を仕掛け、若き命を散らすことに…
(その前に、修行中の呼延儀が、そうとしらぬまま林中と扈三娘と出会い、お互い好感を抱いて別れる場面があるのが泣かせます)

 その呼延儀の亡骸を礼を尽くして呼延灼に返す林中も男なら、威儀を正してそれを受ける呼延灼も男。
 そして、立場は異なってしまったものの、かつての上官と部下であり、そして互いを認め合う二人の男が、やむを得ぬ仕儀から剣を交える…いや、本作としては異色の内容ではありますが、男泣き度の高いエピソードでありました。
(そしてラストの決闘の中で、林中を単なる山賊と画するもの――国と民を愛する心を、彼の口から語らせるのがまたうまいのです)


 なお、今回名前だけ皇甫端が登場。
 原典では百八星の一人ですが、何故か本作では遼の将軍として、それも、呼延灼軍の奇襲にあって負けまくったことが語られるのみ、という悲しい扱いであります。確かに、原典では遼に属していた幽州の出身ですが…

 また、梁山泊では阮小五が久々登場。他の二人は登場せず、しかも合戦シーンで矢を射るくらいしか出番がない、謎の登場でした。

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