「月の船 星の林 地獄の花嫁がやってきた」 まさかまさかの大団円
斎院・多佳子の愛人という噂まで立ってしまった暁信は、ある夜、記憶喪失の男・四条を拾う。一方、地獄では閻魔大王が行方不明となった隙に帝釈天がクーデターを起こし、夜魅姫は暁信のもとへ逃げてくる。地獄と天界の軍勢を相手にすることとなった暁信と多佳子の運命は?
これまで無茶苦茶なフリーダムっぷりで大変楽しませていただいた「地獄の花嫁がやって来た」シリーズが、この第四弾でまさかまさかの――というのはあまりに早すぎる、という意味で――完結。
ラストでは、閻魔大王不在の隙にクーデターを起こして地獄を掌握した強敵・帝釈天に対し、地獄の花婿候補にされてしまった暁信君がいかに挑むか、というのが本筋ではありますが、その他、謎の記憶喪失男の和琴スーパープレイ(シャウトつき)あり、オトコマエ過ぎる多佳子姫がマシンガン(違)を乱射したり、あと、他人を守る時のみ時間限定でハイパー化する暁信君の謎の能力の秘密も明かされたりと、盛りだくさんの内容で、別れの寂しさを感じる間もなく、まさに疾風怒濤という言葉がしっくりくるような大団円でありました。
確かに四条の正体がモロバレだったり、暁信の超能力の秘密もわかりやすくネタフリがあったりと、おそらくはこの巻に一気に詰め込んでしまったが故の食い足りない部分もありましたが、この手があったか、というか、こんなのアリ? というかのとんでもない、しかし何だかえらく幸せな結末に、全てを許せる気になってしまいました。
――それにしても、片や地獄の美少女(予定)、片や清浄なる巫女姫と、両手に花状態ながら「ご苦労さん」という言葉が浮かんでくるような暁信君の後半生(いや○○も)に幸あれ…
と、祝福(?)したくなる気持ちもあるのですが、やはりここで終わりというのはあまりに勿体ない。どんな形でも結構ですから、この先も時々、この賑やかではた迷惑で楽しい連中に会うことができれば、本当に嬉しいのだけれど、と心から思います。
しかし迦楼羅王の頃からもしかしてと思ってきましたが、インドラ(帝釈天)が謀叛を起こしたり、○○○が転生してたりと、これやっぱりシュ○トが元ネタだったんじゃ…
「月の船 星の林 地獄の花嫁がやってきた」(瀬川貴次 集英社コバルト文庫) Amazon

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