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2009.11.04

「カミヨミ」第11巻 大逆転のトリックに期待

 最大最悪の敵も出現し、いよいよ佳境の「カミヨミ」第11巻は「将門の首」編の続き。ついに将門公が復活し、事態は風雲急を告げる中、二つの神剣にまつわる過去の悲劇が、いよいよ浮き彫りとなります。

 首塚をはじめとして、平将門公ゆかりの地で次々と起きる殺人事件。首塚で起きた財務官僚の殺害事件は、零武隊の捜査であっさり解決…と思いきや、それで終わらないのが本作であることは、読者の方はよくご存じの通り。
 一つの事件が解決したかに見えた時、その背後に蠢いていた者が姿を現し、ついに将門公(これがまた実に格好良いのです)が復活し、駆けつけた天馬は、あろうことかその刃の前に…

 ここからは一気に急展開、将門公の強大な力の前に、帝都東京は周囲と切り離されて封鎖状態に。しかも、頼みの綱の天馬の体にも恐るべき変化が発生して…とまさに物語始まって以来の危機であります。
 この窮地に零武隊の反撃はあるのか。そして明治大帝が手にした宝の正体とは!? さらに将門公とカミヨミの因縁とは何か、江戸幕府が仕掛けた罠とはなにか。天馬の、帝都の運命は――と、展開のスケールに比例して、物語も大いに盛り上がります。

 そして天馬が見るのは、呪われし二本の神剣を巡る太古の悲劇。本作を貫いてきた神剣にまつわる物語が描かれることで、いよいよ物語は核心に入ったということなのでしょう。


 このように、この巻ではほとんど最初から最後までクライマックス状態で、大仕掛けな伝奇ファンとしては実に嬉しいのですが、しかし、裏を返せば盛り上げに終始して、ちょっと大味になってしまったなあ、という印象はあります。
 また、本作の特長・魅力の一つである、ミステリ的要素が、今回のエピソードでは薄かったのも非常に残念なところです(連続殺人のトリックは、正直前の巻の時点で予想がつくものでした)

 もちろん、物語のスケールが大きくなればなるほど、ミステリ的なトリックを仕掛けるというのは難しくなるのだとは思いますが…いや、思わぬジレンマではあります。

 もちろん、トリックとは何も、物語の一要素として直接的に仕掛けられるものに限りません。事態が進行するにつれ、一つの物語が全く異なる側面を示し、秘められた真実が浮かび上がるという、いわば物語そのものに仕掛けられたトリックもまた、本作の名物と言うべきもの。

 主人公側を一気に地の底に叩き込むような展開が続く中、ここからいかに物語をひっくり返してくれるのか――その大逆転のトリックに期待いたします。

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