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2009.11.01

「射雕英雄伝EAGLET」第2巻 見るべきものはアクション描写

 全十九巻の大作である李志清の漫画版「射雕英雄伝」が先日完結したばかりですが、もう一つの漫画版「射雕英雄伝EAGLET」の第二巻が発売されました。

 父の仇を求めて旅する青年・郭靖と、彼の道連れになった少女・黄蓉の二人の冒険行はこの巻でも続き、前半は山中の廃寺に潜む謎の殺人鬼・黒風双殺と二人の対決が、後半では臨安府で開催される武術大会・江南論剣での郭靖と完顔康の対決が描かれます。

 …と、原作読者であればおわかりの通り、今回も、原作とは全く異なるストーリー展開。
 黒風双殺や穆念慈――第一巻のあのキャラがそうだったのか、とちょっと驚きましたが――といった原作のキャラクターを登場させつつも、郭靖や彼女たちが活躍する物語は全く別物であって、原作ファンであればあるほど、違和感は大きいだろうな、と感じます。

 それでは本作が全くつまらないか、と言えばそういうことはなく、特にアクション描写には見るべきものがあるのは事実です。

 例えば郭靖・黄蓉と黒風双殺(ちなみに本作では双殺と言いつつ、妻の梅超風のみが登場。しかも壱原侑子似の美人…なのはこれでこれでよろしい)との戦いでは、郭靖と黄蓉が共に深手を負い、また実力では遙かに及ばないというシチュエーションを設定。
 そこで、黄蓉が練った気を郭靖にそそぎ込み、その力を込めた降龍十八掌を郭靖が放つ! という展開に相成るわけですが、そこに至るまで、文字通り手に手を取った二人が、廃寺の閉鎖空間で強敵を相手に繰り広げる武術アクションの完成度は、これはかなりのものだと感じるのです。

 これで物語の方が、同じくらい盛り上がれば言うことなしなのですが、こちらはまだまだ――と、原作付き作品でこういう感想になってしまうのが何とも残念、というか不思議ではありますが…


 …しかし、武侠ものはまだまだマイナーな世界なのだな、と巻末の解説漫画を見て、いまさらながら感じた次第。

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