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2009.12.05

「新選組刃義抄 アサギ」第2巻 一筋縄ではいかないキャラ描写!?

 作画・蜷川ヤエコ、原作・山村竜也という、時代ものファンであれば見逃せないコンビが描く新選組漫画「新選組刃義抄 アサギ」の第二巻が登場です。
 新選組ものとしてはオーソドックスな設定ながらも、巧みなキャラ描写が印象に残った本作ですが、第二巻では新選組結成には忘れてはならないあの人物が登場。これがまた一筋縄ではいかない描写に驚かされます。

 松平容保を護るため、田中新兵衛&岡田以蔵というある意味黄金コンビに立ち向かい、文字通り痛み分けとなった総司をはじめとする試衛館一同。
 その甲斐あって容保候に認められ、京都での地歩を固められるかに見えた彼らですが、浪士組には彼らの他にも一大勢力が…そう、芹沢鴨の一派であります。

 芹沢鴨といえば、言うまでもなく新選組結成期最大の悪役。媒体を問わず、どの新選組ものでも、近藤・土方・沖田に負けぬ存在感を示す芹沢ですが、本作の芹沢も実に個性的でインパクト充分なキャラクターとして描かれています。

 何しろ本作の芹沢は、普段は堂々とした風采で沈着とした態度の人物ながら、「神」というキーワードを耳にした途端、残虐で暴力的な人格に豹変するという二重人格者。
 初登場時、「これがあの芹沢!?」と思わせるような紳士然とした佇まいで現れながら、突然北斗の拳の悪役のようなテンションで凶剣を振るう姿には度肝を抜かれました。

 …と書けばいかにもトンデモない(というより邪気眼?)に見えてしまうのですが、しかし実際の作品で見れば、その画の描写の迫力から来る説得力で、思ったほど違和感を感じないのが事実。
 むしろ、一派を率いるリーダーと、凶暴な剣客と、二つの芹沢像を統合してみせた点に感心させられます。
(しかし新見の「鴨兄」はやりすぎ)

 そしてもう一人、重要人物として登場したのが、佐伯又三郎…と、さして知名度はないが謎は多いこの人物をここで持ってくるセンスにも脱帽であります。
 こちらはいかにもわかりやすい外道ぶりを初登場時から発揮していますが、さて…芹沢や長州とは色々因縁がある人物だけに、これからの動きが気になるところです。

 一方、試衛館側では、斎藤一が本格的に登場。一見天然のようでいて、実は…というひねり方がいかにも斎藤らしく感じられます。
 そして前の巻から色々と心配な藤堂君はこの巻でも沖田コンプレックスが上積みされるような出来事があって、ますます心配ですが…

 何はともあれ、それぞれのキャラが本格的に動き出した感があり、いよいよ本作の独自色が見えてきたという印象。今後の展開にも期待が持てそうであります。

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