« 「風が如く」第5巻 本当の強さとは―― | トップページ | 「風の七人」 はぐれ者たちの死闘 »

2009.12.17

「変身忍者嵐」 第23話「恐怖怪談! 呪いの狼男は誰だ!!」

 狼男に襲われ瀕死となった伊賀忍者から、大魔神像の在処を記した密書を託された木こりの姉弟。江戸の伊賀屋敷に向けて旅する姉弟と接触するタツマキだが、姉弟は信用せず、仕方なく陰ながら護衛に付くことになる。が、殺した相手に化ける能力を持つ狼男に次々と殺されていく伊賀忍者たち。影までは姿を変えられないことを見抜いた嵐により正体を暴かれる狼男だが、その不死身の肉体に嵐も苦戦。しかし、狼男の弱点である銀の太刀を月の輪から与えられ、辛くも勝利するのだった。

 西洋妖怪編第三回の今回と次回で描かれるのは、西洋妖怪の本拠・飛騨霧ヶ峰の大魔神像の在処を記した密書の争奪戦。この西洋妖怪編(正確には化身忍者編のラスト)から、血車党に抗する勢力として活躍(?)する伊賀忍者たちが、今回も重要な役割を果たします。

 ドラキュラ、ミイラ男ときて、今回登場する西洋妖怪はまたもメジャーどころの狼男。しかし前回のミイラ男同様、その能力に一ひねり加えた上に、ストーリー上もその能力が係わってくるのが面白いのです。

 本作の狼男が持つのは、殺した相手の姿に寸分違わず変身する能力。
 この能力を利用して、密書を運ぶ木こりの姉弟(一度血車党が化けた伊賀忍者に襲われているため、タツマキたちを信用せず、江戸まで正直に運ぼうとするという展開がまたうまい)を護る伊賀忍者たちに近づき、一人抹殺してはその姿を奪い、また一人殺しては…という展開であります。

 仲間と同じ姿に化けた敵忍者が…というのは、これはもう忍者ものの美しい伝統ですが、今回はそれを狼男がやってのけるというのが実に面白い。
 元々狼男は、普段は人間の姿をしている者が、奇怪な怪物に変身する――そして人間の姿をしている限り、誰が怪物かわからない――という点に恐怖の一端があるかと思いますが、その恐ろしさをこの忍者ものの定番に結びつけてみせたのは、まさに本作でなければできないことでしょう。

 しかもこの狼男、姿だけではなく、相手の技術まで奪い取ってしまうという強敵。柳生新陰流を操る狼男などというのも、おそらく本作のみ…というのは、何をしでかすかわからない作家がいるので断言できませんが、とにかく希有の存在でありましょう。


 …が、それで今回のエピソードが傑作であったかというと、そうでないのが悲しいところ。前々回同様、夜の場面で画面が暗すぎて何をやっているかわからない――天井から逆立ちでぶら下がって狼男と対決するハヤテという面白いシーンもあるのが勿体ない――というのもあるのですが、何よりも、変身した狼男の跳梁の辺りの演出がいまいちなため、狼男の能力に恐怖が感じられないのです。

 この手のストーリーでは、誰が怪物なのか、誰が化けられているのかがわからない点が、面白さのキモだと思うのですが、何よりも化けられている伊賀忍者たちの描写が今ひとつ――ぶっちゃけると誰が誰だかわからないので、殺されたり化けられたりしてもあまりこちらにインパクトがないなのが何よりも問題かと思います。

 まあ、三十分の子供番組でこの辺りをどこまで描写できるかは難しいところかとは思いますが、折角個性的な敵の能力と、物語展開がうまく絡めてあっただけに、実に勿体ないとしか言いようがありません。


今回の西洋妖怪
狼男
 大魔神像の在処を記した密書を追う西洋妖怪。殺した相手の姿と技術を奪い取る能力を持ち、次々と伊賀忍者たちを殺していった。口からの超音波「狼破壊叫び」や、その咆吼で岩を崩す「岩石こだま崩し」を操る。
 人工の光でできた影には本来の姿が現れてしまうため、龕灯で照らされて正体を現すが、銀の武器以外で負わされた傷はあっという間に回復するため嵐を圧倒。しかし唯一の弱点である銀の武器を月の輪に与えられた嵐の前には無力だった。


「変身忍者嵐」第2巻(東映ビデオ DVDソフト) Amazon
変身忍者 嵐 VOL.2 [DVD]


関連記事
 「変身忍者嵐」 放映リストほか

|

« 「風が如く」第5巻 本当の強さとは―― | トップページ | 「風の七人」 はぐれ者たちの死闘 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/47045875

この記事へのトラックバック一覧です: 「変身忍者嵐」 第23話「恐怖怪談! 呪いの狼男は誰だ!!」:

« 「風が如く」第5巻 本当の強さとは―― | トップページ | 「風の七人」 はぐれ者たちの死闘 »