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2009.12.01

「乱飛乱外」第7巻 二人の関係クローズアップ!?

 何だかあっと言う間という印象ですが、「乱飛乱外」も第七巻目。この巻では、前半で聖女エズミ編が完結し、後半からは新章・伊賀編に突入します。

 堺の教会で暮らすド天然聖女・エズミの前に現れた異国の男たち。実はエズミはエスパニア王の庶子、彼女を母国に迎えるために迎えがやってきたのです。
 そこに、漁夫の利を狙う明智十兵衛光秀が絡んでまさに乱飛乱外の大混戦。果たして雷蔵はエズミを取るのか、人質となったかがりたちくノ一を取るのか…

 と、このエピソードに入ってから良いところのなかった雷蔵が、ここに来て自分で考えて立ち上がるのがこの章の見所でしょう。

 そして自分で考え、立ち上がったのはエズミも同じ。これまで神の下でひたすら教えに従っていた彼女が、自分が何者であるか、何を欲しているか知り、その上で自分が何をすべきかを選び取る――
 正直なところ、エズミのキャラクターと、この章での雷蔵のダメ人間ぶりには呆れていたのですが、それは全て、終盤のこの展開のためであったかと、今頃気づいた自分の目の節穴ぶりには恥入る次第です。

 とはいえ、本作の大きな魅力である、くノ一たちが完全に脇役に――どころか足手まといに――なっているのは相変わらずで、それが何とも残念、というより気に入らぬ、と思っていたら、新章はくノ一たちが大挙登場の伊賀編。

 次期頭領を決めるため、様々な術の遣い手と対決する百活修法の儀に挑む伊賀の里の姫君・おろち(これが妹系ドSという難儀なキャラ)に、雷蔵は振り回されることになります。

 この百活修法の儀の中に含まれるのは、雷蔵一の臣であるかがりの得意とする神体合――恋する相手から見つめられることにより、鬼神の如き身体能力を発揮する術。
 その神体合でおろちとかがりが戦うということは、すなわち、おろちもまた、雷蔵を恋することを意味するのですが…
 というわけで、この伊賀編では、久々に雷蔵とかがりの関係がクローズアップされることになりそうです。

 本作の見所の一つは、神体合で雷蔵を助けながらも、その努力が実る時は、同時に彼女の恋が破れる時というかがりの抱えたジレンマ。
 最近の展開ではあまり踏み込んで描けていなかったと感じられるその点が、今回のエピソードでははっきりと描かれるのでしょう。

 折しも明かされる神体合の致命的な弱点――果たして雷蔵とかがりの絆はそれを乗り越えることができるのか、何だかんだ言ってもやはり先を楽しみにしているところです。


 …しかし、念者念者と連発されるのは、その、何というか微妙な気分になります。

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