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2009.12.19

「絵巻水滸伝」第二部 招安篇完結!

 長らく感想をさぼってしまいましたが、「絵巻水滸伝」第二部が、今月更新分の第八十一回「回天」後篇をもって「招安篇」完結となりました。
 梁山泊の招安を巡り様々な思惑が入り乱れ、文字通り屍山血河を築いた死闘の果てに、梁山泊の豪傑たちは新たな運命の扉を開けることとなります。

 朝廷の招安――罪を赦される代わりに国の戦力として官軍に編入される――の求めを拒み、結果、もう一つの自分たちとも言うべき十節度使を敵に回すこととなった梁山泊。
 さらにそこに天才軍師・聞煥章、そして怨敵・高キュウが加わり、梁山泊はあわや全滅の危機を迎えることになります。

 招安を受け入れることにより、かろうじて痛み分けに持ち込んだ梁山泊ですが、完全にその地は焼け野原と化し、豪傑たちも一歩間違えれば幾人も命を失ってもおかしくなかった状態に…

 しかし最大の危機はその先にありました。招安を受け入れることを良しとしない者たちは梁山泊軍を離れ、百八人は散り散りに。さらに高キュウら奸臣は、開封の地に必殺の罠を敷き、残る梁山泊軍全滅を目論む…!


 と、ここまでが前回までのあらすじ。それを受けての今回は、結論から言えば、ここまでの重い展開を一気に覆した――とは言わないまでも、おそらくは水滸伝ファンとして、これが見たかった! と言える、満足のいく内容でした。

 運命に翻弄された末、梁山泊という安住の地を見つけた百八人の豪傑たち。
 しかしその梁山泊を失い、そして彼らの運命を狂わせた宋国に帰順することになった時――たとえ袂を分かつほどではないにせよ――彼らの依って立つものは失われ、虚しさを感じることとなったのは無理もない話です。

 そんな彼らの心に火をつけたのは、やはり同じ星の下に生まれた仲間たちであり、そしてそれだけでなく、彼らが苦難の人生の中で出会った人々だった――
 というのは、ある意味、様式美的展開ではありますが、やはり良いものは良い。
 散り散りになった仲間たちが、しかし、それぞれの心の中のやむにやまれぬ思いに突き動かされ、再び集うというのは個人的に大好きなパターンですが、それまでの展開が非常に重いものだっただけに、実に嬉しい結末でした。


 しかし、この先彼らを待ち受けているのが明るいものばかりでないのは、間違いのないところ。
 今回でも既に、将来に待ち受ける暗雲の兆しは見えているのですから…
 それでも、彼らの新たなる旅は始まりました。「絵巻水滸伝」第二部、ここからが真のスタートと言えるかもしれません。


 にしても雄さん本当に何やってんだ。何というバカップルぶり…

公式サイト
 キノトロープ/絵巻水滸伝


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