« 「大江戸!! あんプラグド」第1巻 意外にしっかり押さえてます | トップページ | 「親鸞の不在証明」 ラスト数ページの大逆転 »

2009.12.10

「伴天連XX」 異形の腕が唸るクトゥルー時代劇!

 江戸の町で囁かれる河童の噂――それを知った浪人・無命獅子緒は、河童を追って佃島に赴く。自分の書いた記事の真相を確かめるため彼に同行した瓦版屋・番太郎が見たものは、海から現れる奇怪な怪物の群れと、それに立ち向かう獅子緒の左腕に隠された異形の存在だった…!

 最近ではすっかりwebコミックというものが定着して、紙媒体だけチェックしていると思わぬ見落としがあったりします。ファミ通コミッククリアで連載されている本作「伴天連XX」も、そんなwebコミックの一つ。
 江戸時代を舞台に展開される本作は、何と時代劇にしてクトゥルー神話作品、江戸に迫る邪神の影に、奇怪な「腕」を持つ浪人・獅子緒が挑み、異形のバトルを繰り広げることとなります。

 現時点ではまだ第二話までの公開で、まだまだ設定紹介編といったところですが、とにかく主人公(おそらく)の獅子緒の設定がが凄まじい。
 元は主持ちの侍ながら、ある事件が元で命を落とし、異形の左腕を授かって復活した獅子緒。彼の巨大な左腕を包む晒布の下に秘められたものとは…

 その、誰もが――クトゥルー神話ファンであればなおさら――何じゃそりゃあ! とひっくり返るほどのその正体のインパクトの前には、あらゆるツッコミは無力化するとしか言いようがありません。


 個人的には、クトゥルー神話を日本に、それも時代ものとして導入することについては、大いに魅力を感じつつも、安易な扱いには批判的なスタンスを私は持っています。
 それは、20世紀初頭のアメリカに生まれた作品世界を時代も文化も異なる世界に導入することの違和感、難しさを感じているが故ですが、その観点からすれば本作にはかなり不満があります。

 江戸時代に、おなじみの神話固有の名詞が飛び交う様は、例えるならば、ダーレスの神話作品で、秘められているはずの神話知識が、キャラの口からペラペラと喋られるのに似たガッカリ感を感じさせるのです。


 しかし、それでもなお、先に述べた通り本作ならではの独自性、インパクトは、実に魅力的に映るものであり…そして、この先の展開を見てみたい! と感じさせられるのです。

 第二話のラストでは、タイトルの「伴天連XX」が差すであろう人物――また色々と突っ込みどころがありそうな――も登場しましたが、ここまで来たら、小うるさいマニアを黙らせる勢いでどんどんフカして欲しいものだと願っているところです。

「伴天連XX」(横島一&猪原賽 ファミ通コミッククリア連載中)

|

« 「大江戸!! あんプラグド」第1巻 意外にしっかり押さえてます | トップページ | 「親鸞の不在証明」 ラスト数ページの大逆転 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/46981887

この記事へのトラックバック一覧です: 「伴天連XX」 異形の腕が唸るクトゥルー時代劇!:

« 「大江戸!! あんプラグド」第1巻 意外にしっかり押さえてます | トップページ | 「親鸞の不在証明」 ラスト数ページの大逆転 »