« 「退屈姫君 海を渡る」 風流・退屈、夢の競演 | トップページ | 「変身忍者嵐」 第25話「恐怖怪談! 魔女ゴルゴン呪いの城!!」 »

2010.01.03

「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 第01話「走れ! 炎」

 三河国蓬莱村に住む、機巧(からくり)使いの一族「機の民」。機の民の少年ヒヲウは、村祭りで博徒に追われる少年を機巧で助けるが、機巧は力にあらずと長老に叱られてしまう。むくれたヒヲウと彼の姉弟・友達たちは、誰も動かしたことのない大機巧・炎が眠る社に向かう。それと時を同じくして、謎の一団に襲撃される蓬莱村。村の危機を知ったヒヲウの必死の想いが、ついに炎を動かす…!

 今日から放送される2010年の大河ドラマ「龍馬伝」は、坂本竜馬が主人公ということで、このブログでも何か竜馬が登場する作品、もちろん伝奇もので、毎週紹介できるようなものを、と考えていました。
 果たしてそんな条件に適するものがあったかしらん…と頭を悩ませたのも一瞬のこと、私の頭に浮かんだのは本作「機巧奇傳ヒヲウ戦記」であります。

 丁度十年前に放映された本作は、機巧使いの機の民の少年・ヒヲウと仲間たちが、人型に変形する巨大機巧・炎と共に幕末の動乱に巻き込まれるという冒険アニメ。
 当然(?)有名無名を問わず歴史上の人物が多数登場するのですが、その中で最も重要な位置を占めるのが、竜馬その人なのです。
 これから約半年間にわたり、本作を紹介していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。


 さて、竜馬の登場は実は第三話からというのは置いておいて、物語の導入部となるこの第一話ですが…これが実に良い。
 何が良いと言って、アバンタイトルの、老シーボルトとヒヲウの出会いのシーンであります。

 上のあらすじには書きませんでしたが、本作の物語の始まりは、あのシーボルトが、三十年ぶりに日本を訪れる場面から始まります。
 日本に向かう船上で、愛する日本に想いを馳せつつも、その将来を憂えるシーボルト…と、その前に現れたのは、外国人の女性のスカートめくり(外国人の女性に尻尾はないか、踵がちゃんとあるか確かめに来たのです)にわざわざ機巧船で忍んできたヒヲウ。シーボルトは、目的を達成して慌てて逃げていくヒヲウに、自らの懐中時計を与える、というのがこの冒頭部分であります。

 激動の時代を迎え、望ましくない未来に向かっていく日本の運命を予感するシーボルトが、しかし、これだけは昔と変わらない――そしてこれからも変わらないであろう――日本の子供の姿に微笑みを取り戻すというこの場面は、この「機巧奇傳ヒヲウ戦記」という物語の視点と、そして何よりその物語でヒヲウが果たす役割というものを、強く視聴者である我々に印象づけてくれるのです。

 そしてこの第一話のクライマックス――謎の敵の襲撃にあって、これまで誰も動かすことの出来なかった炎をヒヲウが動かそうとする場面において、炎に力を与えた(体内のゼンマイ機巧を作動させた)のが、このシーボルトの時計のゼンマイであったというのがまたもう…!

 日本人でも知らない人間が大半と思われるシーボルトの再来日を題材に持ってくるという点も含め、この辺りのセンスはやはり原作・脚本を担当する會川昇氏の面目躍如たるものがあると感じます。

 更に言えば、これだけのテーマ性を忍ばせつつ、二十五分弱という限られた時間の中で、時代背景やキャラクターといった基本設定を盛り込み、そして敵の襲撃→封じられたロボットを起動させて反撃というロボットもの第一話の黄金パターンにもきちんと即している辺り、実に良くできた第一話であったと、今更ながらに感心した次第です。


 波瀾万丈の時代活劇の導入部として、先が楽しみで仕方なくなる――そんな第一話であります。


「機巧奇傳ヒヲウ戦記」(バップ DVD-BOX) Amazon


関連記事
 「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 放映リスト&キャラクター紹介

|

« 「退屈姫君 海を渡る」 風流・退屈、夢の競演 | トップページ | 「変身忍者嵐」 第25話「恐怖怪談! 魔女ゴルゴン呪いの城!!」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/47189313

この記事へのトラックバック一覧です: 「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 第01話「走れ! 炎」:

« 「退屈姫君 海を渡る」 風流・退屈、夢の競演 | トップページ | 「変身忍者嵐」 第25話「恐怖怪談! 魔女ゴルゴン呪いの城!!」 »