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2010.01.19

「山風短」 第一幕「くノ一紅騎兵」連載開始!

 「Y十M 柳生忍法帖」完結からいささかの間をおいて、せがわまさき先生+山田風太郎先生の作品が三度の登場となりました。
 「月刊ヤングマガジン」誌の今月号から連載の始まったそのタイトルは「山風短」――その意味するところは山田風太郎短編、今度は山風先生の短編を漫画化していこうという企画であります。

 その栄えある第一弾として選ばれたのは「くノ一紅騎兵」。現在ではちくま文庫の「忍者六道銭」に収録されている作品です。

 舞台となるは関ヶ原の戦の直前、京の傾城町。傾城屋・扇屋を訪れた前田咄然斎、上泉主水、岡野左内、車丹波守(おお、「叛旗兵」!)と千坂民部という、上杉家ゆかりの豪傑たちの前に現れたのは、主人の養女となったという美少女・陽炎。
 千坂たちを窺っていた隠密の人質にされた陽炎は、しかし、見事な体術で隠密を取り拉いでしまいます。

 驚く一同に対し、陽炎は、自分を上杉家中に加えて欲しいと懇願するのですが、上杉は尚武――というより女嫌いの家風。
 にべもなく断られた陽炎が一同に見せたものは――と、ここで今回のサブタイトルである「大島山十郎」の意味が明かされて続く、となります。

 「バジリスク」「Y十M」と、せがわ先生の山風作品漫画化は、原作の内容を生真面目に再現しつつも、その絵の巧みさと、時折挿入されるプラスアルファの見事さで、原作読者をも感心させるものでしたが、それは言うまでもなく本作でも変わらず。
本作の主人公たる陽炎をはじめとして、直江四天王に千坂民部といった登場人物のビジュアルは、原作のそれを見事に再現したものでした。
 野暮を承知で原作を引用すれば――「霞のような眉、星がまたたいているかと思われる双眸、紅もつけていないのに露にぬれた朝の花のような唇」という陽炎の描写を、見事に具現化しているのです。

 それにとどまらず、今回のプラスアルファとしては、原作では比較的地味だった陽炎が隠密を取り押さえるシーンを、(それまでが静かな展開だっただけに)目の覚めるようなアクションで見せてくれるのも嬉しい。
 このあたりの緩急のつけ方は、さすがと言うべきでしょう。

 というわけで、今回も今後の展開に全く心配なさそうな「山風短」 第一幕「くノ一紅騎兵」。
 この「山風短」は約半年で一つの作品ということながら、実は今回だけで原作の約半分を消化しているというのがちょっと気になりますが、これからいよいよ直江兼続に上杉景勝が登場し、物語が本編に入ることになります。
 ここは、せがわ先生がいかに原作を料理してくれるのか、楽しみにおとなしく待つとしましょう。


 にしても、約四十年前に「男の娘」を書いていた山風先生こそまさに恐るべし…

「山風短」 第一幕「くノ一紅騎兵」(せがわまさき&山田風太郎 「月刊ヤングマガジン」2010年2月号掲載)


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