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2010.02.05

「退屈姫君 これでおしまい」 これにて完結、大団円

 今日も暇を持て余すめだか姫のところに入ってきた、姉・猪鹿蝶姉妹の行方不明の報。それにかこつけて変わり菊比べを見物しためだかは、そこで雪見桜という新種の菊を生み出した御家人たちと知り合う。しかし、田沼親子が将軍に江戸城での菊の品評会開催を焚きつけたことから、事件は思わぬ方向へ…

 毎回毎回破天荒な大暴れで楽しませてくれた「退屈姫君」シリーズも、この第四弾で完結。非常に残念ではありますが、「これでおしまい」とはっきり宣言されては致し方ありません。

 さて、その完結編の本作の発端となるのは、めだか姫の行き遅れの姉・猪鹿蝶三姉妹の行方不明事件。
 前作「退屈姫君 恋に燃える」で、脇役ながら十分過ぎるインパクトを残したお姉さま方が、輿入れを目前に三人とも行方不明になったというのは確かに事件ですが、しかしそこから物語は全く思わぬ方向へ突き進むことに…

 と、これまでも展開の意外さと、題材の豊富さで楽しませてくれた本シリーズですが、今回はこれでおしまいだけあって出し惜しみなし。
 江戸時代の園芸ブームを踏まえた変化菊栽培の模様が語られたと思えば、隠された変化菊の鉢を求めての暗号ミステリが展開。
 かと思えば、クライマックスはお仙と熊野忍びたちが、江戸城を舞台に死亡遊戯チックな死闘を繰り広げてくれて、最後の最後まで、そのサービス精神には頭が下がります。

 しかし、確かに大いに盛り上がったのだけれど、本当にこれでおしまいにできるのかな? と思えば、最後の最後に待ち受けていたのは嬉しいサプライズ。
 なるほど、これでは確かにさしものめだか姫も退屈している場合ではないわい…と納得であります。

 最後には登場人物たちのその後も語られて――約一名を除いては皆幸せになって――本当に良かった! と笑顔の結末。
 特にシリーズ第一作(「退屈姫君伝」ではなく!)からの読者にとっては、本当によかったなあ、とニンマリしてしまうような結末も用意されていて、まずははこれにて大団円であります。

 わずか四冊、「風流冷飯伝」を合わせても五冊の間ですが、本当に楽しく読むことができました。いつか、次の世代の物語も読んでみたいもの…と、少々気が早いですが思った次第です。


 しかし、三姉妹のその後は…これはこれで大いにハッピーエンドですが、最後の最後までおじさん目線の物語だったなあ…(それを言うと、めだか姫のその後もそうなのですけどね)

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