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2010.03.05

「危機之介御免 ギヤマンの書」第2巻 未来之危機 一件落着

 天下のフリーター・危機之介こと富士見喜亀之介と仲間たちが考証無用で暴れまくる「危機之介御免」の第二部「ギヤマンの書」の第二巻にして完結編が刊行されました。
 ギヤマンの書、すなわち「ターヘル・アナトミア」を巡る争いは、江戸の運命を巡る戦いにまでスケールアップいたします。

 警護を引き受けたオランダ商館長を守れず、お尋ね者としてターヘル・アナトミアを懐に逃避行を余儀なくさせられた危機之介。
 親友の柳生十三は実家に逼塞させられ、兄の富鶴之介は瀕死の重傷。後ろ盾の田沼意次も政敵の一橋治済に追い詰められた上、本所の鐵率いる先手組は敵に回り、さらには謎の南蛮人暗殺者も迫る…と、冷静になってみれば古今未曾有の危機であります。

 それにとどまらず、江戸を襲うバイオレンシアの嵐――
 本書の帯には「江戸消滅か危機解決か」とあり、最初に見た時はまたずいぶんと大袈裟な、と思ったのですが、それが実は大袈裟でなかった! というのにはさすがに驚かされました。

 しかし、もちろん、危機に陥ったからとて逃げ出すような危機之介ではありません。
 相変わらず表情はどこかアンニュイですが(ってこれはもしかして作画のタッチが変わっただけかしらん)、第一巻での最大の不安要因だったあの弱気さはさすがになりを潜めてくれたのは実に嬉しい。

 これまでと同様、決して刀を抜くことなく、機転で状況を打開し(今回はウタの絵の使いどころが実に痛快)、危機を収めてみせる…頼もしい仲間たちとともに。


 もちろん、前途はまだまだ多難ではありますし、危機之介が第一巻で抱え込んだ悩みの全てが解決したわけではありません。
 しかし、今回の弱音の象徴ともいえる「災い」という言葉を、最後の最後で叩き返してみせる姿を見れば、彼の、彼の仲間たちの未来も、信じることができるでしょう。

 思わぬところで「未来之危機」でしたが、まずは一件落着。
 巻末の後書きを見るに、これでシリーズ全体の完結のようではありますが、いつかまたどこかで会うことができれば本当に嬉しい――そんな結末であります。

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