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2010.04.11

「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 第14話「でかい! 魔界に眠る天狗の剣」

 清河の誘いで、獅子王に炎を見せるヒヲウたち。しかし清河が獅子王に刃を向けたため、ヒヲウたちは捕らわれてしまう。すぐに誤解は解けたが、獅子王はヒヲウに再び自分に仕えよと語る。迷いつつも長岡京に天狗剣を探しに向かうヒヲウ。その前に、薩摩浪士そして風陣が現れる。乱戦の中、ヒヲウは戦いを止めるため炎を動かす。天狗剣は風陣に奪われたものの戦いは終わり、マスラヲが新月藩にいたことを知ったヒヲウは再び旅に出る。

 今回は京都編のラスト。様々な人々の思惑が入り乱れての乱戦の中で、ヒヲウは自分のなすべきことを見出すことになります。

 さて、前回ほど場面転換は少ないものの、やはり人間関係が入り組んだ今回。しかし、少しずつ舞台から登場人物は消えていきます。
 私欲のために動いているという醜い心底を獅子王に見抜かれて這々の体で逃げ出す清河(行きがけにテツを手にかけようとした外道っぷりが光ります)。
 清河の巻き添えで捕らわれたヒヲウたちを救うために自らが新月藩主の嫡子と名乗りをあげ、才谷や華と共に去る雪…いや雪弥。
 そして、同志のもとに帰るため、叔父の益満に刃を向ける有坂少年――

 実は有坂少年は、今回のお話では少し外れた――ヒヲウと関係のないところに――いたのですが、しかし、人死にが正面から描かれることが少ない本作において、彼が物言わぬ姿となって川につっぷして浮かぶシーンは、実に衝撃的。
(有坂が後の誰なのか一生懸命調べていた私もびっくり)

 自らの理想に燃えていた若き命が、悲劇的な最期を遂げるというのは、幕末という時代のある種の象徴と言うべきでしょう。有坂の姿に一種複雑な憧れを抱いていたヒヲウではありますが、しかし自らの志のためとはいえ、人が人を殺すというのは最も否定すべきもの。
 クライマックスの天狗剣を巡る長岡京での乱戦(獅子王配下の八瀬童子まで参戦! 連環馬軍団かと思いました)において、たとえ敵であっても人死にを防ごうというヒヲウの叫びは、まさにその想いの表れと言うべきでしょう。

 かつては御所に仕えたという機の民。そして彼らが操った炎と一対の存在である天狗剣。
 何故機の民が御所を去ったのか。そして何故天狗剣のみを長岡京に残していったのか…
 その答えは今回明示はされませんでしたが、しかしそれはヒヲウの姿の中に示されていると見るべきでしょう。

 もっとも、それに説得力が――あくまでもドラマそのものとしてのではなく、ヒヲウという少年の主張として――あるかは別のお話。
 「機巧は祭のために用いるべし」とは、本作の冒頭から語られる機の民の掟ですが、しかし、古来祭と政はイコールだったと語る獅子王の言葉は、一定以上の重みを持って感じられます。

 ちなみに、前回冒頭に登場したマスラヲは、掟を破った機の民である風陣の大頭と親しく語る姿を見せました。それは、マスラヲなりに、この問題に答えを出したということなのでしょう。

 果たしてヒヲウは、マスラヲと出会った時に自分なりの答えを明確に示すことができるのか…
 そのマスラヲの居場所も、いよいよヒヲウたちの知るところとなり、舞台は新月藩へ。いよいよクライマックスであります。


 ちなみに今回感心したのは、テツの動かし方。前回同様、やっぱり情報量が多かった今回ですが、その辺りの慌ただしさを、うまく緩和していた印象があります。
 天狗剣の在りかを巡るイシ・フブキとのもどかしいやりとりは、ベタでしたがやはり面白かったですね。

 そしても一つ、どう考えても浮いていた前回と今回のサブタイトル中の「魔界」の意味づけにも感心。


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