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2010.04.02

「なまずランプ」第3巻 なまず講の裏の裏

 時は幕末、平凡な(?)ダメ人間の平次郎が何故か大事件に巻き込まれて右往左往…の時代サスペンス「なまずランプ」の第三巻、物語的には第二部の「地の巻」の完結編であります。

 御金蔵破りの事件で辛うじて命を拾い、御用聞きとなって妹と呑気に暮らす平次郎。
 そんな彼の近所に、「なまず講」なる団体を主催するイケメン・風科光馬が越してきたことから、平次郎はなまず講を巡る騒動に巻き込まれることとなります。

 物語当初から、重要な背景として存在している安政の大地震。生々しく残るその恐怖の記憶を利用して、一大勢力となったなまず講に平次郎も飲み込まれて…
 というのが第二巻までのあらすじですが、さてそこからの物語は、半分は予想通り、それ以降は…え? え? ええっ!? という展開の連続。

 いやはや、なまず講に取り込まれたように見えた平次郎が実は、というのは誰にでも予想がつくと思いますが、しかしなまず講の裏の裏に隠されていた真の目的たるや…

 なまず講自体は、怪しいとはいえさまで大きな事件には見えなかったところを、回り舞台がぐるっと回ってその裏側が現れてみれば、これが江戸がひっくりかねない一大事件に早変わり。

 物語の趣向が趣向だけにその内容まで描けないのが実にもどかしいのですが、かの勝麟太郎まで(そしてもう一人!)飛び出しての――正直なところ、おかげで平次郎が食われた感はあるのですが――逆転また逆転の展開は、いかにも本作らしい人を食った驚きと楽しさに溢れていて、大いに興奮させられた、ということだけは断言できます。
(そして、なまず講が平次郎たちを救うことになるラストの皮肉さもまたよろしいのです)


 さて、この大事件も何とか解決――というよりまたもや「幕末都市伝説」となったところで――本作の「地の巻」もめでたく完結。

 三部作構成の本作、残るは「人の巻」とのことですが、さてどのように平次郎の物語をまとめてくれるのか。
 一刻も早い連載再開を期待する次第です。

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