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2010.05.16

「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 第19話「危うしヒヲウ! カラクリの三剣城」

 華と雪を救うため、それぞれ三剣城に潜入したヒヲウたちとアラシたち。クロガネの言葉に乗ったことを悔いた利連は、アラシに華と雪を引き渡すが、アラシは風陣に捕らわれてしまう。しかし城に反利連派が突入した混乱の中、アラシとヒヲウは合流し、半蔵に追いつめられたクロガネは城から逃れる。アラシもろとも邪魔者を一掃しようとするアカだが、そこに修理が終わった炎が駆けつけるのだった。

 いよいよ新月藩を巡る戦いもクライマックス、今回は主要キャラクターたちが三剣城を舞台に入り乱れるアクション編であります。
 時代ものとしてのフックはほとんどないものの――アバンタイトルに鼠小僧は登場するものの、ほとんど全く本編と関係なし――微妙にやりすぎ感漂うトラップの中を、子供たちが力一杯走り回る姿は、アクションものとして純粋に楽しめました。

 風陣側も、これまで登場した連中が再登場――顔は前回辺りから出ていましたが――するのがちょっと嬉しい。クロザルvsアラシなどはなかなかワクワクしました(…が、その後のシーンでいきなりアラシが捕らえられてたのにはがっかり)。

 その一方で、ドラマ面を担っていたのは大人たち。
 特に、顔が出たのは前回が確か初めての華と雪の叔父の利連の姿が、なかなか印象的でした。

 ある意味今回の騒動の中心である利連は、前藩主とその室を殺し、藩を奪った人物であり、華と雪にとっては仇であります。
 普通であればお家騒動の悪人そのものですが、しかし今回描かれるのは、己の浅はかさを悔やむ、等身大の人間としての姿。
 もちろんこれは、その背後の悪役としてクロガネがいるからこそ許される描写とは思いますが、しかし、三河以来の譜代の家柄ながら、一度も幕政に参画したことがなかったことをコンプレックスに感じていた、というのは、これはこれで頷ける話ではないでしょうか。
(前回の、海鬼を幕府に献上しようというのも、単なる弱腰ではなかったかと納得)

 しかし、やはり今回のドラマ面のクライマックスは、マスラヲとサイの会話でしょう。

 炎の修理を終えて去ろうとするマスラヲを引き留めようとするサイ。その時の言葉が――
マスラヲ「俺は機巧師だ。お前たちの父親にはなれぬ」
サイ「私たちはあなたの子です。そして機巧師です」
というのには唸らされました。

 技術者としての己のエゴに気付き――それを気付かせたのがヒヲウたちというのが痛ましいまでに皮肉ですが――家庭人としての自分を捨てようとするマスラヲ。
 そんな父の姿に一定の理解を示しながらも、まだその二つを両立させることに希望を捨てないサイ。

 その――我々としてはどちらの立場にも頷くことのできる――両者の想いのすれ違いを、短い台詞の中で浮き彫りにしてみせたのには脱帽であります。
 その後の、「父ちゃん!」というサイの叫びが胸に残ります。

 そして次回予告は、マスラヲによるスペシャル版。父として子供たち一人一人に語りかけるマスラヲの言葉のおかげで予告映像が頭に入らなかった人が続出したのではないでしょうか。


 ちなみに半蔵がクロガネを追いつめるシーン、腕組んだままモデル立ちというムーブがやけにGガン的で笑ってしまったのですが、脚本・キャラデザ・声優的に妙に納得。

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