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2010.06.25

「真田十勇士」第2巻 大海を駆ける勇士たち

 本宮ひろ志と柴田錬三郎の夢のコラボレーション、漫画版「真田十勇士」の第二巻であります。
 全四巻構成の本作もこれで前半終了、いよいよ漫画完全オリジナルの展開へと突入していくことになります。

 この第二巻の前半で描かれるのは、第一巻ラストから引き続いての、穴山小助率いる風盗族と、地獄百鬼率いる木曽谷の忍者の死闘。
 真田幸村から助力を求められた穴山小助と、己に組みしない忍者を滅ぼそうという家康配下の服部半蔵の依頼を受けた地獄百鬼と、それぞれを頭に戴く忍者集団の激突は、すなわち幸村と家康の代理戦争であります。

 …と、実はこのエピソード、幸村絡みの部分と、木曽忍者の頭が地獄百鬼であることを除けば、あの名作「赤い影法師」の冒頭部分そのままのシチュエーションです。

 木曽忍者を率いる忍者「子影」が実は女性というのは、どちらも共通。
 しかし、「赤い影法師」の方は、子影と服部半蔵が…というのに対し、本作の方では、佐助に素肌を見られて、愛憎半ばする感情を抱いてしまうのが、面白い趣向であります。


 さて、後半部分はいよいよ本作オリジナルの展開。着々と勢力を増していく家康に対抗するため、秀吉の隠し財宝を探す幸村が知ったその在処とは――八丈島の宇喜多秀家の元!

 かくて、八丈島に向かわんとする幸村と(現時点では)九勇士ですが…大海を超えていく手段も技術も持たない彼らは、苦戦の末、瀬戸内海の海賊・岩見重太郎(!)の協力を取り付けるのですが…

 ようやく海に出た彼らを襲うのは、大嵐に大渦巻(ほとんど「パイレーツ・オブ・カリビアン」級)、飢えに乾きに船酔いに…いや、さしもの豪傑たちもお手上げの、大自然の脅威をいかにして乗り越えるか?
 このあたりの描写は、漫画ならではの、漫画のみ可能なものではないでしょうか。

 そしてもう一つ、本作ならではの部分は、勇士たちの豪快なキャラクター描写でしょう。
 柴錬先生の原作ではどこかクールさを漂わせるキャラクターたちですが、本作では皆、とにかく熱い。
 いかにも本宮作品、と言えばそれまでかもしれませんが、漫画においてはこのくらいの熱さがちょうど良い。

 戦闘・合戦シーンのみならず、日常シーンも、普段は稚気溢れる、とすら言いたくなるような脳天気なやりとりを見せるのも、また楽しいのです。


 さて、苦闘の果てに財宝を手にし、本州に戻る幸村と勇士たちですが、それを迎え撃つのは徳川の大船団。果たして、戦いの行方は…というところで、物語は次の巻に続きます。

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