「機巧奇傳ヒヲウ戦記」 第24話「燃えよ! 父ちゃんの機巧」
アメリカ船との戦いの中、浮上してきた海鬼に挑む炎だが、海鬼の戦闘力は想像以上だった。苦戦の中、華からの伝言通りに炎が放ったエレキテルの電気は、海鬼の中に華が仕掛けた機巧を作動させ、海鬼のスチームインジンを暴走させる。さらに命も炎に協力、二つの機巧の力を合わせた攻撃に、海鬼はついに沈むのだった。しかし今度はヒヲウに戦いを挑むアラシ。が、既に傷ついていた命は戦いの中で爆発を起こし、華はようやくヒヲウの元に戻るのだった。
アバンタイトルは元祖鳥人間の幸吉さん。ひたすら空を飛ぶ機巧を作り続けた幸吉を突き動かしていたのは、ただ飛んでみたかったからという想い…道理が通っていないようですが、その気持ちはわかる気がします。
と、本編には直接は関係ないのですが…
さて今回は海鬼との決着編。全編機巧アクションで、お話としてはかなりシンプルなものにも見えますが、さて、それで終わらないのが本作であります。
海鬼、命と連携して外国船迎撃に出撃した炎。しかしもちろんヒヲウたちに戦いの意志はなく、真の狙いは攘夷の主戦力たる海鬼を破壊すること。
しかしさすがにマスラヲの生涯をかけた作品たる海鬼、飛翔弾の連発に、木造の機巧には天敵とも言うべき火炎放射器まで装備されている強敵であります。
(その気になればネオ・アトランティスとも良い勝負できそうな…そういえば時代背景はほとんど同じですな)
そこで前回の伏線、華がマチに残した、「エレキテルを使え」というメッセージが生きてくることに。
炎のエレキテル斬り(仮)で海鬼を流れた電流。微弱なものに見えたその電流が、華が海鬼の船内に仕掛けた機巧人形を作動させます。
何だかピタゴラスイッチみたいな経路を経て、スチームインジンを冷却するパイプに仕掛けられた爆弾を作動させた人形。
これぞスチームインジンの弱点、暴走を始めたインジンは火を噴き、無敵に見えた海鬼も、内側から崩壊していきます。
…すごいな華ちゃん、破壊工作員になれるぞ。
と、最後の力で外国船に特攻せんとする海鬼にとどめをさすべく天狗剣を振るう炎。その前に現れたアラシの命は、炎を止めるかと思いきや、驚くべし、炎に手を貸して海鬼を攻撃し始めます。
今回のエピソードの冒頭から、不機嫌さを隠そうともしなかったアラシ。それは、己の好敵手であったヒヲウの炎が友軍となってしまった(=戦うことができない)ということもあったでしょう。
しかしそれ以上に彼の心を苛立たせていたのは、そんな構図の中に自分を、ヒヲウを否応なしに組み込んで、動かしてしまう攘夷という戦いそのものではないでしょうか。
そして海鬼はその戦いの、そして自分を縛り、動かそうとする父・クロガネの象徴であり、アラシにとっては自分が自由になるために破壊しなければならないものだったのでしょう。
今回のサブタイトル「燃えよ! 父ちゃんの機巧」は、もちろんヒヲウの、父・マスラヲの造った海鬼に対しての言葉ではありますが、しかし同時に、アラシの、父・クロガネの操る海鬼に対する言葉でもあったと、気付いた次第です。
さて、そんな彼らの心中はさておき、主人公メカとライバルメカの共闘というのはやはり非常に燃えるもの。互いに支え合い、同じ武器を手にしてのフィニッシュという最高のシチュエーションで海鬼はついに滅び去るのですが…
そこで次は炎に矛先を向ける命。戦いを止めるために戦っていたヒヲウにとっては、理解の範疇外でしょうが、自分自身の戦いを始めるために戦っていたアラシにとっては、これはむしろ必然。
機巧は楽しいと、自分の作った機巧で誰にも命令されず戦うのは何よりも楽しいというアラシの想いは理解できるのですが…
しかしすでに傷つき作動限界に達していた命は戦いの中で爆発、イシはアラシを救い出すために深手を負って…
一つの悲劇の予感の中、ようやく華がヒヲウのもとに戻ってきたところで、次回に続きます。
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