« 「真田十勇士」第3巻 結集十勇士、そして… | トップページ | 「一鬼夜行」 おかしな二人の絆が語るもの »

2010.07.30

「幕末めだか組」第3巻 めだか組最大のライバル?

 幕末の一時期、神戸に存在した海軍操練所を舞台とした時代漫画「幕末めだか組」の第三巻が刊行されました。
 勝海舟のきまぐれで生まれた癸組…通称「めだか組」に集った、いずれも一癖ある面々の青春群像劇であります。

 幕臣・藩士入り交じり(しかも女性まで混じって!)、一見協調性などまるでなさそうなめだか組も、数々の事件を乗り越えて少しずつ――本当に少しずつですが――結束を強めてきた様子。この第三巻からは、旧式の帆船とはいえ、乗る船を得て、実地訓練が始まります。

 さて、ここで四話収録されているうち、前半の二話は、これまでに引き続き、めだか組の個々のメンバーにスポットライトを当てて、物語が展開されます。

 一話目は、女性である蘭丸が、自分と同じ組なのに反発する秀才だが保守的な佐賀藩士のエピソード、そして二話目は、元・新撰組隊士である柳にまつわるエピソード。
 この一話目は、正直なところベタなお話ではあるのですが、海軍操練所が不逞浪士の巣と睨んだ斎藤一が、柳を動かして操練所の名簿を奪おうとする二話目はなかなか面白い。
 かつて己が属した新撰組のやり方に絶望して隊を抜け、隠れ場所として操練所に入った柳が、果たしてめだか組を裏切るのか――
 こちらも展開自体は予想通りなのですが、柳がめだか組を己の居場所として認め、そのために命を賭ける姿は、なかなかに感動的です。

 一方、後半二話からは、物語が大きく動き始めます。
 操練所周辺で頻発する辻斬りと、勝の周囲を窺う不穏な影…操練所を巻き込んで進行する水戸脱藩の浪士一味の陰謀に、操練所が、めだか組が巻き込まれていくことになります。

 その陰謀の正体は、この巻ではまだ明らかにはなっていませんが、操練所の船を浪士たちが狙っているところを見れば、実行されれば多くの血が流されるものであることは間違いありますまい。
 その陰謀にめだか組がどのように立ち向かうことになるのか――その伏線らしきものは、実はこの巻でも見えているのですが、仮に私の予想通りであれば、大いに盛り上がる展開となりそうであります。

 さて、最後になりますが、この第三巻では、あの人物が、ついに登場することになります。
 勝とともに第三巻の表紙を飾るその人物は、勝海舟の私塾から、海軍操練所とともに生まれた海軍塾の塾頭を勤めた人物。
 そう、才谷さ坂本竜馬、その人であります。

 本作では、ちょっと骨っぽい感じで描かれている竜馬ですが、めだか組の先輩格としての存在感は、やはりイメージ通りであります。
 いやむしろ、竜馬という大スターの存在感に、めだか組の面々が食われないよう…最大のライバルは、むしろこの人かもしれません。

 その辺りも含めて、これからの展開がやはり気になるのです。

「幕末めだか組」第3巻(神宮寺一&遠藤明範 講談社KCデラックス) Amazon
幕末めだか組(3) (KCデラックス)


関連記事
 「幕末めだか組」第1巻・第2巻 二重写しの青春群像

|

« 「真田十勇士」第3巻 結集十勇士、そして… | トップページ | 「一鬼夜行」 おかしな二人の絆が語るもの »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13655/48977511

この記事へのトラックバック一覧です: 「幕末めだか組」第3巻 めだか組最大のライバル?:

« 「真田十勇士」第3巻 結集十勇士、そして… | トップページ | 「一鬼夜行」 おかしな二人の絆が語るもの »