「戦国SANADA紅蓮隊」第3巻 ついに集った十人の兵!
あの真田幸村が、いつもの平松作品の文法で外道相手に大暴れの痛快バイオレンスアクション「戦国SANADA紅蓮隊」の第三巻です。
上杉家での戦いを終え、仲間を求めて旅立った幸村は、霧隠才蔵と出会うのですが…
北条と上杉の和睦の使者として陰腹を切って死にかかり、そこを逆に気に入られて上杉景勝の、直江兼続の客分となった幸村。
しかし、そこに家康の命を受けた三人の外道忍びが襲来、やっぱりこの展開か! とファンが大喜びしたところで第三巻に突入であります。
刃も跳ね返す鋼の巨体の怪忍者・斬怪相手に死闘を繰り広げた幸村ですが、やはり貫目の違いというべきかこれに圧勝。爽やかに景勝・兼続と交誼を結んだ彼は、しかし上杉に留まることなく、仲間を求めて旅に出ます。
そう…股肱の臣である猿飛佐助を含め、十人の兵(つわもの)を求めて!
というわけで、佐助とくればやっぱり次は才蔵。
格好良いことを言いつつも色街に繰り込んだ幸村と佐助は、そこで身分を隠して働く霧隠才蔵と出会います。
この才蔵、長髪で見るからに正統派の美形ですが、当然ながら(?)なかなか他人に心を開かない孤高の男。
実は才蔵、かつて伊賀忍者として服部半蔵の下に仕えながらも、その余りに外道なやり口に怒りを抱き、彼に反旗を翻して抜忍となった過去があったのでした。
(ちなみにこの時に半蔵に入れられた額の「才」の字の傷が彼のトレードマークであります)
と、見ていて色々な意味で何となく不安になる佐助に比べ、真っ当にヒーロー的な才蔵。そんな彼には唯一心を許す女郎・夕霧がいたのですが…
ゲストキャラ(それも後ろ暗い過去持ち)の恋人で美人で風俗業とくれば、平松作品的にはわかりますね? そう、外道に捕まり大変な目に遭わされるわけです。
この外道、表向き小間物屋、裏の顔は伊賀忍者の三河屋に対し、もちろん幸村の怒り爆発! クールに燃える才蔵、そして巻き添えで自分を男にしてくれた女郎を殺された佐助と、怒りのトリオの大暴れが始まるわけであります。
相手は忍者の元締め、そしてド外道というわけで、待ちかまえるのは無数の罠と敵――
そんな中に先陣切って飛び込む幸村は、確かに三河屋の言う「日本一の馬鹿な侍」ではあるのですが、それに「オレにとっちゃあ最高の誉め言葉だぜエエエ~~!!」などと返されたら、そりゃあ才蔵だって惚れ込みます。
一つの悲劇の果てに、才蔵は仕えるべき主を、そして幸村は頼もしい仲間を得ることとなります。
残る勇士、あと八人…
というところまで来たところで急展開! 幸村なき上田城に迫る家康軍の前に、真田家は風前の灯火。しかしそこに駆けつけたのは…
幸村と十人の兵、名付けて真田紅蓮隊!
…要するにここで打ち切りとなったわけであります。佐助と才蔵に続く十勇士は、誰が誰と名前が出るでもなく、見開きで勢ぞろいして登場するのみですが――格好いいんだ、これが。
実にもったいないとは思いますが、前半の歴史ものっぽい展開(それにしたって十分アレですが)が今一つで、エンジンに火が点くのに時間がかかったためでしょうか…
一応勝ち負けが史実としてはっきり見えている世界で平松バイオレンスは厳しかったのかな、と思わないでありませんが、いやはや、残念なことではありました。
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