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2010.08.14

「大帝の剣」第5巻 そして新たな旅へ

 漫画版「大帝の剣」の第五巻「神魔咆吼編」であります。。
 ここで一区切り、第一部完なのですが、ラストを飾るようにバトルまたバトルの連続、幾つか物語の秘密も明かされて、相当の盛り上がりを見せてくれました。

 本作の開始以来、次々と役者が――それも凄玉ばかりが――ぞろぞろと登場してきましたが、ついにそれぞれがぶつかり合い始めた、と言うべきでしょうか。

 この第五巻では、
 宮本武蔵vs犬権三
 万源九郎vs蛭丸
 万源九郎vs犬権三
 宮本武蔵vs天草四郎
と、ほとんど間をおくことなく次から次へと死闘の連続。

 冷静に考えてみるとこの漫画版、原作小説の「天魔降臨編」を第一~三巻までで消化しているのに対し、続く「妖魔復活編」は第四巻、そして「神魔咆哮編」と「凶魔襲来編」の大部分を、この第五巻を消化しています。
 つまり、巻を追うごとに原作圧縮率(?)は高まっているのですが、しかし、それが逆に物語のテンポをアップさせ、結果、戦いと戦いの連続で物語を進めていくというスタイルが、良い方向に転じていると感じます。

 そしてまた、渡海氏の作画も、このテンポが合ったのか、実にイキイキとしたアクションを展開していきます。。

 何よりも、漫画であることと画であることを、巧みに使い分けていると――言い換えれば、動と静のコントラストを実に効果的に使っており、好印象。
 特に、源九郎が権三を叩き斬るシーンなど、漫画でなければ見られないような構図に大いに驚かされました。

 その他、見開きの絵の右端に「ぬおおおおおおおっ!!」「ダダダダダダダダダッ」といった吹き出しを大胆に付けるという手法も楽しく、ここにきて、これまで以上に絵と物語が噛み合ったという印象があります。


 これまでで一番面白かった――というより、群を抜いて面白かったこの第五巻ですが、しかし、ここでこの漫画版はひとまずの完結となります。

 当面の強敵である犬権三を倒し、源九郎と舞/蘭、申と才蔵が新たな旅に踏み出すという結末は、正直なところ、絵に描いたような「第一部 完」ぶりですが、これはこれで、キリの良いところで終わったと言うべきでしょう。
(「神魔咆哮編」と「凶魔襲来編」で新たに登場したキャラクターたちも省かれていますが、これはこれで正しい判断でしょう…)

 いよいよノってきた印象が強いだけに、ここでの第一部完はまことに残念ではありますが、ここは素直に、いつか再び、渡海氏の手になる万源九郎の活躍を目にすることができることを祈って終わるとしましょう。

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