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2010.08.30

荒山徹トークセッション「百済・新羅 石田三成を巡る時空」(その二)

 荒山徹トークセッション「百済・新羅-石田三成(ソクチョン・サムスン)を巡る時空-」レポートの第二回であります。(一部修正しました)

細:「竹島御免状」なども山田風太郎作品が前提となっていますが
荒:鳥取に取材に行った時に「鳥取は剣豪の里」とあった。それで剣豪たちを出そうと思いましたが、皆時代が異なるので、じゃあ甦らせようと。しかし荒木又右衛門を甦らせるのに「魔界転生」を無視して甦らせる方が卑怯だと思って。一言、又右衛門に言わせないと不敬という気がしました
細:二回甦ったら何回も甦るのでは
荒:伊福部昭さんが、映画音楽をやるのは最初はいやだったが、一度やったら後はもう…と言っていました。が、節度をもってやりたい

細:「柳生黙示録」も「魔界転生」でしょうか
荒:そうです。どこを掘っても山田風太郎が出てくるのが我が国の伝奇の土壌。山田風太郎層のような

細:「石田三成(ソクチョンサムスン)」では「伊賀忍法帖」ということで
荒:そ、そうでしたっけ…ああそういえば
細:果心居士が出てくるのは珍しいのでは
荒:大学の時に映画で成田三樹夫がやったのが格好いいと、ずっと頭の中に残っていました
細:雑誌連載時のタイトルが「柳生大作戦」のわりに柳生が出てこないように思いますが
荒:前半に宗矩、後半に五郎右衛門、古代でも出てくるし、一応柳生は出てくると自分なりに思っています

細:三成が百済党の党首というのはどこから出たものでしょう
荒:自分の中では自民党や民主党などの前に卍党があって、党というのは格好いいものだという頭があります。これは牽強付会ですが近江は百済と縁が深いので、その子孫が三成でもそんなにおかしくないと思いました
細:柳生の出自も出てきましたが
荒:田道間守(タジマモリ)がタジマノカミになるので、ああいける! と

荒:隣国の歴史をもう少し身近に感じてもらうためにはどうしたらよいかといつも考えています。今回も関ヶ原や柳生を絡めると親しんでもらえるのではないかという戦略でした

細:時事ネタを盛り込むのが好きですね
荒:今までそういうことはしないようにしようと思ってきましたが、去年の政権交代を見ていて、近江朝廷とはこういうものかとダブったので、鳩山さんには申し訳ないが使わせてもらいました
荒:白村江の戦からの流れと幕府が倒れて明治政府になる流れがダブるという説はあるけれども、そこに現代もダブるという意識がありました。読者もその歴史の一員だと思ってもらえれば


その他の作品について
細:「柳生黙示録」は本になるのでしょうか
荒:終わりがバタバタしたので、もう少しページをもらって書き直さないとと思っています。出版社の応諾ももらっています。あの作品ではキリスト教が日本に伝来したことの重大さに書き始めて気付き、これは大変なものを相手にしてしまったとパニックになってしまった。その辺りをちゃんと調べて書いてから出したいと思います

細:朝鮮から離れたものを書く予定は?
荒:講談社百周年記念の書き下ろしで、英仏を舞台としたものを書いてます
細:でも十兵衛は出てくる?
荒:はい! 「友を選ばば柳生十兵衛」というタイトルで
細:当然ダルタニャンは出てくると
荒:最初は敵、あとは味方ということで。年齢は十兵衛がダルタニャンの一歳上で同時代人です
細:ブルボン柳生やハイランダー柳生が出たりは…
荒:今回はダルタニャン視点なので控えます。ヴェルサイユ柳生というのも考えましたが
細:ダルタニャンというと佐藤賢一先生の「二人のガスコン」がありますが
荒:もちろん読みましたが、こんな人には張り合えないので、オレ流で行こうと。佐藤賢一先生のダルタニャンはデュマのそれよりもずっと高尚ですが、こちらはデュマの「二十年後」の前に「十年後」を想定して、講談社文庫版の「ダルタニャン物語」の2.5巻目のつもりで

細:「オール読物」誌の「朝鮮通信使」ものは?
荒:あと一本追加して単行本化します。意図的に江戸時代を除いて書いてきましたが、それはなぜかという話を書きます

細:「シャクチ」はまだ単行本には?
荒:まだ…これから武帝の朝鮮侵略を書きます
細:第一話の参考文献にブライアン・ラムレイの「地を穿つ魔」があったのにも驚きましたが、各話のタイトルを見るとこれは(ロバート・E・ハワードの)「コナン」だろうと思いました
荒:三年前に新装版で出た時に読んで、こんなに面白いものがあったのか! と驚きました。ラヴクラフトは昔から好きで読んでました
細:「石田三成(ソクチョンサムスン)」でも海底の神殿が出てきましたが
荒:それもラヴクラフト
細:ではそのうち十兵衛が邪神と戦うことも…
荒:やってみたいです

細:新聞にも連載しているとか
荒:「砕かれざるもの」というタイトルで北日本新聞などに連載しています。加賀前田藩を支えている秘文書が奪われ、八丈島から宇来多秀家の孫が戻ってきて十兵衛と戦う話です
細:ということは伝奇もの?
荒:怪獣も妖術も出ないので剣豪ものかも。たまには節度あるものをと

細:長曾我部元親が主人公の「蓋島伝」も「小説新潮」誌で連載していますね
荒:長曾我部がゲームでいま人気があるとか。ゲームでは片目だそうですが、「高麗秘帖」で来島通総を片目で書いたので先鞭をつけた…というのとは関係なく、四国を調べていたら、元親しかいないと思いました
細:まず素材ありきということでしょうか
荒:その通り。順番としてはまず題材、次に時代です

細:「KENZAN!」の方では?
荒:次の号に、はじけたものを書きたいと思っています


 長くなりましたがもう一回続きます。


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コメント

 レポート待ってました! しかし衝撃的な情報がわんさかありますね。実は新聞で連載していたとか、講談社書き下ろしの想像できなさ具合とか。「友を選ばば柳生十兵衛」って! 「シャクチ」や朝鮮通信使もの、「柳生黙示録」の書き直しなんかも楽しみです。

投稿: どぶろく | 2010.08.30 07:33

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