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2010.08.29

荒山徹トークセッション「百済・新羅 石田三成を巡る時空」(その一)

 実に三年ぶりの荒山徹トークセッション「百済・新羅-石田三成(ソクチョン・サムスン)を巡る時空-」が、前回と同じ池袋のジュンク堂書店にて、8月28日に開催されました。
 聞き手も前回同様、文芸評論家の細谷正充氏ということで、荒山先生もすっかりリラックスしてのトークセッションという印象、一時間もあっという間でした。
 今回のイベントは、ジュンク堂のサイトに後日音声ファイルがアップされるとのことですが、速報性も大事、ということで、前回同様、概要を掲載したいと思います。また、神無月久音さんが一足先にレポートをアップされているので、こちらもご覧いただければと思います。

「徳川家康(トクチョンカガン)」について
細:この作品を書こうと思った動機は?
荒:隆慶先生へのリスペクト、オマージュです。先達の足跡を踏もうと
細:コリン・フォーブスの「石の豹」の影響があるのでは。外国のスパイが要人に化けて…という
荒:海外ミステリが結構好きで、フォーブスも好きな作家。あの作品の要素を取り入れれば隆さんと違うものが描けるのではと思った
細:他に海外ミステリで好きな作家は?
荒:フレデリック・フォーサイス、クレイグ・トーマスなど。国際謀略小説の類です

細:徳川家康が朝鮮人というのはどの辺りからでたアイディアでしょう?
荒:韓国の李舜臣の映画を見ているときに、小西行長役の人が風車の弥七そっくりだった。そこから、影武者だから日本人に限定する必要はないと思った

細:隆慶一郎をどのくらい凌駕できたと思いますか?
荒:凌駕どころか、「風の呪殺陣」の域まで行ったか行かなかったかというところです

細:後半は幸村がずいぶん目立ちましたが
荒:幸村を鬱っぽいキャラクターにしたら手応えがあったため、そっちに行ってしまいました。幸村は鬱だったのではないかなと。追いつめられて自暴自棄になって、後世に名を残そうというのは尋常な状態ではないと思う

「石田三成(ソクチョンサムスン)」について
細:連載時の「柳生大作戦」からタイトルが変わった理由は?
荒:「徳川家康(トクチョンカガン)」が自分の中ではそれなりに手応えがあったので、柳の下のドジョウを狙いました
細:本当に「三成」で「サムスン」と読むんでしょうか
荒:本当は「サムソン」ですが、三星電子も日本では「サムスン」と言われているので良いかなと。まあ、あやかろうと思ったわけですが

細:今回は戦国と古代の両方が並行して描かれていきますが
荒:前作「柳生大戦争」で作中の時代が移り変わっていったのを踏襲しつつ、二つの時代を平行して描き、それぞれに影響していくと…あ、いま気付いたんですが「柳生十兵衛死す」ですね、これ
細:歴史は繰り返すということでしょうか
荒:たまたま関ヶ原が壬申の乱の舞台に重なっていると知ったときに面白いと思いました。妻が岐阜の人間で、桃配山の話などを教えてもらって、両者の重なりに気づきました
細:同じ行為を繰り返すことで力が強くなるという考え方が呪術にはあります。その辺りを終盤の展開は意識しているのでは?
荒:(あまりピンとこない様子で)個人的にそういう構造が好きなのだと思います

細:今回も怪獣大戦争があったが、これは好きだからということでよいでしょうか
荒:子供から青年時代に至るまで、アニメとか特撮とかといった文化がありました。そうした文化の所産です。年輩の時代小説作家の方にとっての歌舞伎のようなものです

細:「竹島御免状」で式神に乗り込むシーンがありましたが、あれはマジンガーZのパイルダーオン?
荒:あれはジャンボーグAのイメージです

細:臘鷺守(ろうろす)は当然ロプロス?
荒:ハイ申し訳ありません
細:ロプロスが出たらポセイドンとロデムはいつ出るかと思ってましたが
荒:一つ出したからもういいかと思ってしまいました
細:他の作品に残りを出すことは?
荒:…出したいと思います

細:八岐大蛇は「柳生雨月抄」に出たのと同じでしょうか
荒:ちょっと違います。あれは田中啓文さんの「UMAハンター馬子」の影響を受けてます。あの作品では、他のUMAは実は○○だった、という展開だったのに、八岐大蛇だけはそのまま出てきた。でも八岐大蛇はタコじゃん、と思ったので「雨月抄」ではタコにしてます

細:それで次はキングギドラと…
荒:韓国で「イルボンハングギドラ(日本は韓国だった)」という本を見た時に「これいけるじゃん!」と思いました
細:それはいつ頃の話か
荒:留学したときだから、もう十四、五年前ですね

細:ガウガメラは…
荒:講談社から「興亡の世界史」という本が出ていて、アレキサンダー大王のところでガウガメラの戦いが出てきたので、「いけるじゃないか!」と
細:ギドラとかガメラという単語を見ると反射的に考えてしまうということでしょうか
荒:探しているわけではなですが、たまたま出会うと…

細:甲賀天津敏斎は当然天津敏だと思いますが、どの天津敏がモデルでしょう
荒:赤影の天津敏です
細:あっさり倒されてしまっいましたが…
荒:ひどく申し訳ないことを敏さんにはしたと思います。最初はもっと活躍させるつもりが、すまん、ここで死んでくれ! と


 本当に天津敏にひどいことしたよね、と思いつつ次回に続きます。


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