「仮面の忍者赤影」アニメ版 第11話「せまる!! 忍法阿修羅地獄」
難民たちが堺の町に救いを求めてやってきた。一方、金目教の阿修羅三兄弟は、堺の橘屋が手に入れた南蛮大砲の設計図を奪うべく堺に潜入、橘屋の蔵の厳重な警戒に一度は撃退されたものの、蔵を襲った罪を難民に被せる。難民と町衆の緊張が頂点に達する中、再び蔵を襲う三兄弟。が、そこに参上した赤影は三兄弟を圧倒、三兄弟が付けた火の中に設計図は消え、協力して火を消したことで、難民と町衆のわだかまりも消えるのだった。
今回は難民問題を中心に据えた、なかなか意欲的エピソード。戦乱の中で家や財産を失い、放浪してきた人々が救いを求めてきた時、どう接するか…これは、堺に限らず普遍的な問題ですが、秘密兵器の争奪戦という一種定番展開に、この問題を絡めてきたのが工夫であります。
久々登場の南蛮商人カルロスがもたらした南蛮大砲(特撮版を見ていた人はニヤリとできるアイテム)の設計図を奪おうとした阿修羅三兄弟。
スキンヘッドに額の赤い炎の入れ墨という恐ろしげな外見に似合わず(?)結構微妙な実力の三兄弟は、あっさり蔵の仕掛けに撃退されてしまうのですが、そこで終わらないのが彼らの悪辣なところ、この襲撃事件を、折から堺にやってきた難民の仕業ということにして、町衆と難民、双方を煽るのです。
さらに三兄弟は難民に同情的な橘屋を襲撃、橘屋は傷を負わされたところをやまぶきに救われたものの(本当に便利なキャラだなあ)、一時的に姿を隠したことで、これも町衆と難民の緊張を高める結果に…
難民の少年・ロクと仲良くなったこともあり、この緊張を何とか解こうとする青影ですが、赤影は冷静に南蛮大砲を守り、橘屋の蔵襲撃事件を解決しようとする(そうすれば同時に難民の件も解決する)という立場。
この辺り、理屈でいえば赤影が正しいのですが、感情でいえば青影のこともよくわかるというのもうまい作りでしょう。
さて、町衆と難民がついに一触即発、町の入り口で双方がにらみ合い、ついに武力衝突か…というところで喜んだのは三兄弟。
蔵を守る傭兵までそちらに行ってしまったのをよいうことに、ついに蔵の仕掛けを突破して、南蛮大砲の設計図を手に入れてしまいます。
が、もちろんそこで赤影参上! 一人で三兄弟をほとんど圧倒(やまぶきにも翻弄されたし、明らかに腕前はいまいちな三兄弟がちょっとおかしい)。
さらにやまぶきに教えられて白影が橘屋を連れてきたことから、最悪の事態は何とか回避することができました。
そして、ここで三兄弟が蔵に付けた火が火災に発展してしまったことで、事態は大きく動き出します。
そう、町に燃え広がろうとする火を消すために真っ先に走り出したのはロク。そして、自分の家が燃えるのがどんなに辛いことか、自分たちが一番よく知っているというロクの母の言葉に、難民たちは力を合わせて消火活動を始めるのです。
そして赤影は、三兄弟の必殺技・忍法「阿修羅地獄」――三人が一人に見えるように重なり、六本の腕で同時攻撃を仕掛けてくる――を、辛くも打ち破って、長兄を倒します。
それでも設計図をリレーして逃げようとする二人ですが、白影、そして青影の妨害により、三兄弟は全員自らが放った炎の中に消え、南蛮大砲の設計図も燃え尽きるのでした。
堺を守るための南蛮大砲は消えてしまいました。しかしそれでも、堺はもっと大きな力を得たと諭す赤影。
その言葉に大きく頷いて、橘屋は焼け跡の復興作業を難民たちに依頼するのでした。
と、結果的にはご都合主義的に終わった今回ですが、難民たちを陥れた三兄弟が放った炎が、逆に町衆と難民を結びつける――そして三兄弟はその炎の中に消える――というある意味皮肉な展開が面白い。
そして、それを可能としたのが、故郷から焼け出された難民たちの境遇だったというのも、それなりの説得力があります。
なかなか難しい題材だったとは思いますが、実にキレイにまとまった佳品であったと思います。
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