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2010.11.14

「快傑ライオン丸」 第03話「魔の森 わくらんば」

 山焼きで行く手を塞がれた獅子丸たち。そこに浪人たちが襲いかかるが、その中の一人・蒲生城太郎が仲間を裏切り、獅子丸たちを助ける。ドクロ仮面がこの先の森で何かを企んでいることをを知った獅子丸たちは、城太郎の制止も聞かず森に踏み込む。が、獅子丸は現れた怪人わくらんばの前に敗北、城太郎に救われる。それでも城太郎を置いて再戦に臨んだ獅子丸。今度は変身に成功し、わくらんばの企てを打ち砕くのだった。

 「快傑ライオン丸」第3話に登場するのは、なかなか珍しい木の葉の怪人・わくらんば(病葉…)。
 アバンで禁忌の森に踏み込んだ村人を襲って惨殺するというのは前回と同じパターンですが、犠牲者に貼り付いているのがやけに明るい色の木の葉なのでまだましです。
 ちなみにこのわくらんば、目の部分は人間の目がそのまま見えるデザインで、これが妙に生身感(?)を感じさせてくれます。

 その配下のドクロ忍者は、自分に合わせてか衣装の色は緑。これが巨大な蓑虫の蓑に入って、上から落ちてくる(下から刃が突き出す)という攻撃は、かなりのインパクトであります。
 まあ、つり下がってる糸を切られると終わりなのですが…

 そのわくらんばの企みは、浪人を集めて砦を作り、これを足がかりに日本を戦火に包むという遠大なもの。
 まずはその邪魔者である獅子丸を抹殺するため、浪人たちを使って森におびき寄せようとするのですが、そこに意外な妨害が!

 それが今回の実質的な主役とも言える謎の男・蒲生城太郎。演じるは惜しくも本年の元旦に亡くなった成川哲夫氏ですが…いやこれはある意味反則なキャラクター。
 ご存じない方のために解説すれば、本作の前に放映されていたのは、同じピー・プロダクション制作の「スペクトルマン」。その主人公は、成川哲夫氏が演じる蒲生譲二――
 つまり、この蒲生城太郎は蒲生譲二のセルフカバー的キャラクターなのであります。

 もちろんこれは一種のお遊びではありますが、第3話にして強力な援軍登場! というよりは、あまりにキャラが立ちすぎていてほとんど獅子丸たちを食ってしまった状態。

 獅子丸のキャラクターがまだ視聴者に馴染んでいない(しかも基本的に彼は生真面目)一方で、直前まで一年以上活躍していた、しかも飄々ととして明るい、垢抜けたキャラクターが登場しては…

 実際、城太郎は人間臭くて実に魅力的な人物です。
 かなりの体術の使い手ながら、基本的に呑気な酒好きの楽天家。
 獅子丸たちと絡むのは、わくらんばに金で雇われたのがそもそもの理由ですが、「子供を斬れと言われた覚えはない」と言い放ってあっさり鞍替えするスマートさも格好良いのです(この時、「銭は十分に渡してあるはずだ」と言われて「殺しをやるほどもらってない」と答えるのもいい!)

 何だかんだで獅子丸たちと行動を共にした際には「この世の中で大事なものは命と金」と断言し、正義のために戦うという獅子丸の行動を半ば呆れたように見守りつつも、獅子丸たちの危機には、一文にもならないにもかかわらず駆けつける…
 というのはまあお約束ですが、やはり実にいいではありませんか。

 対するに今回の獅子丸は、城太郎が止めるのも聞かずにわくらんばの森に向かうも、ファーストコンタクトでは何故か(全く理由は語られず…わくらんばの起こした風に邪魔されたというわけでもなく、本当に謎)金砂地の太刀の封印が解けず変身に失敗。

 わくらんばの木の葉攻撃の餌食となって、城太郎に救われるという有様で、先輩ヒーロー(?)が相手とはいえ、ちょっとかわいそうな役回りでした。
 もっとも、二度目の対決では、高い木の上に立って風を呼び、わくらんばの風を相殺。きっちりと変身して、空中戦を制した上でライオン丸飛行斬りで、しっかりと決めてくれるのですけれどもね。
(この時、勢い余ってわくらんばもろとも倒れ込むのが、文字通り体当たりアクションで素敵ではありました)


<今回のゴースン怪人>
わくらんば
 全身を木の葉で覆われた怪人。青竜刀に似た得物を持つ。頭から強風とともに木の葉を打ち出し、相手を窒息させてしまう。
 浪人たちを集めて森に砦を作り、日本侵略の足がかりにせんとするも、獅子丸や城太郎に阻まれ、ライオン丸飛行斬りに敗れる。

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コメント

この回は、まさに成川さんの蒲生城太郎が主役でしたね。今まで、何か重苦しい雰囲気がしてた「快傑」もこの回から、雰囲気が軽快になったような感じを受けました。ところで沙織は、2回続けて敵に捕まりましたが、この回は逆に獅子丸を
助けたり、大活躍でした。もっとも蒲生にその後助けられるシーンも、あるあたり沙織らしいが(笑)しかし、毒グモにやられるピンチにへこたれず、明るい沙織はさすが果心居士の弟子といったところか。

この回は、仲間たちとの会話、笑顔も多くホッとひと息つく沙織さんだった!?

投稿: エージェント・スイス | 2010.11.14 20:31

エージェント・スイス様:

本当に城太郎が大活躍の回でした。
少なくとも今回の明るさは城太郎の個性ですね。

沙織さんはこういう番組にしては積極的に前に出て戦う女性キャラで好感が持てますね(そのために前の二回では捕まってしまうわけですが)
本当に体を張った演技に頭が下がります

投稿: 三田主水 | 2010.11.14 23:19

枯れ葉がモチーフの怪人なんて、他には「ゴレンジャー」の枯れ葉仮面くらいですね。


スペクトルマン人間体「蒲生譲二」の名は、SF作家ジョージガモフに由来なのですが、時代劇の中で使われると、今度は、蒲生氏郷の血筋じゃないかな?というニュアンスに一転するのが秀逸だったと思えます。

投稿: 特撮コメンテーター | 2010.11.29 19:54

特撮コメンテーター様:
そうか、時代劇で蒲生といえばそれがありましたね
時代的には氏郷は生まれたか生まれないかというくらいだと思いますが(桶狭間の前っぽいので)、同族と考えると面白いです

投稿: 三田主水 | 2010.11.30 00:58

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