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2011.01.14

「伊達人間」第1巻 伊達人間第一号

 さて、昨日紹介した「御指名武将真田幸村 かげろひ KAGEROI」と同時に刊行された宮永龍の「伊達人間」第一巻であります。
 これがまたタイトルの時点で妙なインパクトがありますが、内容の方はさらにインパクト十分。ただひたすらカッコつけることを目的に戦う伊達政宗の姿を描く戦国アクションコメディなのですから…

 史実でも色々とケッタイなエピソードの多い政宗ですが、本作の政宗も、その史実に恥じない(?)怪男児。
 とにかく自分をカッコよく見せるためであれば、単騎駆けを行うなんてのは当たり前、自分を粋に見せるアイテムが隣国にあると聞けば、それを奪取するためだけに戦を仕掛けるわ、その戦の最中にもまたカッコ良い(と自分が信じている)ポーズを連発するわと、もう無茶苦茶であります。

 と、無茶苦茶なのは実は登場人物の設定で、この政宗が上杉謙信とチャンバラを演じたり、実は片目を奪ったのが信長だったり、その信長の配下に真田幸村がいたり…と、真面目な歴史ファンであれば怒り出すこと請け合いの内容なのですが――


 しかし、私はこの作品、結構好きなのです。

 確かに史実との兼ね合いでいえば無茶苦茶なのですが、この辺りは(こういうことを言うのは反則ですが)「戦国BASARA」みたいなもので、戦国武将をキャラクター化して描いた一種のファンタジーと思えばよろしい。
 そしてそのキャラクター化という点では、この無邪気でええかっこしいではた迷惑な政宗像が、いい感じでデフォルメが効いていると感じられるのです。

 さらに何よりも、絵柄が実に良い。
 作者の「童の草」(実は本作とリンクしているとのことですが)の感想の際にも書きましたが、過剰に装飾的でいて、しかし漫画としてきっちりと動いている絵柄は本作でも健在で、それが政宗の伊達者っぷりとよく似合っています。

 特に第二話、戦場で政宗と片倉小十郎、そして伊達軍が見せる一糸乱れぬダンスシーン(!)は、ただただ圧巻、いやもうこれだけやられたら、認めるほかないではありませんか。
(そしてそれが一見バラバラな伊達軍の絆の強さを浮かび上がらせるという、お約束ながら美しい描写に繋がるわけで…)

 お話の方は、これから天下の名品・利休銘柄(RIKYUブランド)を巡っての争奪戦になるらしく、いよいよますます奇っ怪なキャラクターたちが顔を出す様子。
 この第1巻のラストに文字通り顔見せしたキャラクターたちがまた、実に面白すぎるデザインの連中ばかりで、これは否応なしに期待させられます。

 伊達人間の前に立ち塞がる次なる奇っ怪人間は誰なのか、理屈抜きで楽しませていただきたいと思います。

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