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2011.01.17

「夕ばえ作戦」第4巻 そして夕ばえに彼女は…

 光瀬龍の名作ジュヴナイルを現代に甦らせた漫画版「夕ばえ作戦」の最終巻であります。
 タイムスリップした現代の高校生が、風魔忍者と対決するという骨格は同じだったものの、この第四巻に来て、物語は完全にその向かうところを違えることになります。

 伊賀と風魔の決戦の最中、再び現代にタイムスリップした茂と明夫。
 囚われの身だった高尾先生もようやく奪還することができたかと思いきや、現代には、伊賀や風魔の面々もやってきてしまい…

 茂たちと行動を共にしてきた地虫兵衛ら伊賀衆、そして偶然一緒に現代に飛び出した風魔小太郎はともかく、他の忍びたちにとってみれば、現代は異世界以外の何ものでもありません。
 そこで、彼らを救い出すべく、茂たちは奔走することになるのですが…

 原作が――風祭陽子との交流は大きな要素としてあるとはいえ――基本的には風魔忍者との対決話であったのに対し、本作は舞台のみならず、大きく方向性を変えていると言えます。

 個人的には、超人的な忍者の技に、現代っ子の知恵と運動能力で立ち向かう原作のシチュエーションが大好きではあったのですが、しかしこれはこれで納得できる展開。
 やっぱり無邪気に風魔忍者を倒しておしまい、というのは色々な意味でマズい気もする…というのは野暮な考え方かもしれませんが、しかし、現代でかつての敵を助けるために奔走する主人公たちというのも、ジュヴナイル的で気持ちの良いものではあります。

 それは、戦い、殺し合いのない平和な現代に生まれたが故の人の良さなのかもしれませんが、しかしそれが争いを避ける道となるのであれば、それはそれで大いに誇るべきものでしょう。
 原作でも、茂と陽子の触れあいが見せた可能性は、それに近いものであったはずですから…


 さてこの漫画版は、しかしある意味それ以上に踏み込んだ世界を描くことになります。
 本作の冒頭から匂わされていた謎――明夫と風魔小太郎の、明夫の祖母と風祭陽子の容貌が似通っている理由。それが最終話にて描かれることとなります。

 その内容はもちろんここで書くわけにはいきませんが、なるほど、本作では陽子をこのように描いたか――と一面納得。
 陽子の魅力を生かしつつ、彼女自身も…とくれば、この結末もアリでしょう。

 とはいえ、個人的にはもう少し別の結末を期待していた…というのが正直なところ(最終話一話前の展開ともちょっと食い合わないような…)
 はて、自分が好きだった「夕ばえ作戦」はこういう話だったのかな、というのは言い過ぎかもしれませんが、やっぱり(原作とはまた別の意味で)切ないなあ…とは感じた次第です。

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コメント

原作の高校生が忍者の手裏剣をはじき返すとかの無茶苦茶さ(笑)を抜きにするとこういう話になるのかな・・・と思いますね。

投稿: ジャラル | 2011.01.17 22:56

ジャラル様:
あの、「現代の学生の方が栄養あるもの食べてるから強い」理論はいまだに非常に斬新だと思うのですが…(笑)
陽子の扱いは、ファンとしてわかるようなわからないような(笑)

投稿: 三田主水 | 2011.01.23 21:05

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