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2011.03.05

「戦国無双Chronicle」 合戦を動かすという快感

 先日発売となった新ゲーム機「ニンテンドー3DS」。予想通り…といいますか、発売日には売り切れ続出だったのですが、比較的安定供給されているのか、数日遅れで手に入れることができました。
 というわけで、このブログ的には一番気になる「戦国無双Chronicle」紹介であります。

 さて、最初に正直なところを言ってしまえば、発表当初は本作に期待はしていませんでした。

 無双が3D化というのに、さして興味がそそられなかったことはありますが、何よりも、本作が、エディットキャラを主人公にして武将たちは脇役的に登場という内容が気に入らなかった点が大きい。
 ご存じの方も多いと思いますが、戦国無双は、有名武将等から一人選んで、そのキャラの史実をベースにしたストーリーをクリアしていくゲーム。そこから外れたことで、良く言えば様子見、悪く言えば手抜き的なものを勝手に感じ取っていたのですが…

 しかしこのスタイルが、実は面白かったのです。
 河越夜戦から大坂夏の陣まで、クロニクル…年代記の名に違わず、戦国史に名高い戦場を、名もなき兵士の視点で経験できるというのが、予想以上にエキサイティング。
 これまでのシリーズでは、各武将のストーリーで主人公に華を持たせるため、史実と異なる展開になることもままあったのですが、彼らをあくまでも歴史の登場人物の一人とすることで、かなり史実に近いストーリーが展開されるのに感心しました。

 主人公が様々な陣営、様々な合戦に参戦するのも、陣借りと思えば整合性もある…と、「陣借り平助」気分でプレイできるのも楽しいのです。
(まあ、設定上は実に70年間も戦場にいることになってしまうのですが、そこは目を瞑りましょう)


 しかし、それ以上に驚かされたのは、本作がこれまでのシリーズと比べて段違いにゲームとして面白いことであります。

 実は本作は、合戦中に操作するキャラクターを主人公以外の武将に切り替えることが((さらに、操作キャラ以外の武将に目的地や戦う相手を指示することが)できるのですが、これが非常に効果的なのです。

 戦国無双では、自分以外の武将も合戦に参加し、それぞれの場所で戦っているのですが、これまでのシリーズでは、結局戦うのはプレイヤーの操作キャラで、それ以外はあくまでもおまけ的な印象が強いものでした。
 しかし本作では、プレイ中にそのそれぞれの武将に(もちろん全員ではなく、最大四人までですが)切り替えることによって、ある程度戦場を自由にコントロールできるのが面白い。

 たとえば、二面作戦を展開してくる相手に、こちらも軍勢を二手に分けて当たらせる。ある武将が強敵を引きつけている間に、他の武将が敵の本陣に突撃する。敵陣で孤立した味方を救うために、全軍を集結させる…
 無双の最大の魅力である一騎当千感を保ちつつ、RTS(リアルタイムシミュレーション)的な戦略性を与え――そして何より、自分が主体的に合戦を動かしているという快感を、このシステムは与えてくれるのです。

 任天堂の公式サイトの名物コーナー「社長が訊く」の本作の回を見ると、無双シリーズの弱点である、ある場所からある場所に向かうまでの移動の単調さを解消させ、プレイ密度を上げるためにこのシステムを導入したとのことですが、その狙いは見事当たったというべきでしょう。


 残念ながら携帯機の限界か、一度に登場する敵キャラクターはさまで多くはありません。3D表示も、おまけという印象があります(あと、プレイに夢中になって3DSを持つ手を動かしてしまうと見えにくくなるのも弱点)。
 しかしそれでも、本作はハードの特性を活かしつつ、そして新しいアイディアを投入することによって、これまでにない魅力的な無双を成立させてみせたと感じます。

 初めてこのシリーズに触れる方にもおすすめできますが、何よりも、いままでシリーズをプレイしてきた人にこそおすすめしたい快作であります。

「戦国無双Chronicle」(コーエーテクモゲームス ニンテンドー3DS用ソフト) Amazon
戦国無双 Chronicle

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