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2011.05.18

「快傑ライオン丸」 第29話「影三つ 怪人ドクロンガ」

 タイガージョーに敗れて心身ともに深手を負った獅子丸。しかしそれ以上に、獅子丸と沙織・小助の心が離れてしまっていた。そんな獅子丸の前に、三人のドクロ忍者が合体するドクロンガが出現、獅子丸は敗れてしまう。それでも特訓にこだわる獅子丸に小助がぶつけた言葉で、獅子丸は己の中の執着に気づき、見事特訓に成功。再度対決したドクロンガを、無我夢中で繰り出した新必殺技で倒すのだった。

 …と、ライオン丸の完敗という衝撃的なラストの前回でしたが、今回冒頭に登場するのは、ドクロ忍者(素顔)のヅガイ、カバネ、アバラ
の三兄弟。
 この三人、苦しい修行の末に会得したゴースンドクロ変化で何と怪人ドクロンガに変身、この力でライオン丸を倒し、下忍から脱してゴースン直属の配下になろうという、敵ながら苦労人であります。

 が、そこに通りかかったのは、丁度ライオン丸を倒したばかりの錠之介。「無駄骨を折ったな」などとうまいこと言って勝ち誇り、目的を失って愕然とする三兄弟を後目に去っていきます。

 さてその目的の獅子丸は、生きてはいたものの、特に精神的ダメージで抜け殻状態。しかし、自分たちを置いて単独行動をとった末に敗れた獅子丸に、小助は辛辣な言葉を浴びせます。三人のチームワークはバラバラに…(しかし、すぐに後悔する小助はやっぱりよい子)

 それでも俺にはこれしかないと、前回山寺の和尚さんに課せられた「葉を落とさず枝を斬り落とす」という修行に没頭する獅子丸ですが、それを見つけて大喜びなのは三兄弟。
 一人一人では、生身の獅子丸にもやられる弱さですが、一つになればごらん無敵だ、ライオン飛行斬りを破り、ライオン丸を敗走させてしまうのでした。

 ちなみにその頃、通りすがりの武芸者に喧嘩を売っては斬っていた錠之介は、獅子丸に特訓を課したあの山寺の和尚と偶然対面。
 またもや枝を斬ってみろと言い出す和尚ですが――ここでなんと錠之介はあっさり葉の付いたまま枝を落としてしまいます。
 邪心とはいえ、心持ちの上でも錠之介が勝っているということでしょうか…いやこの辺りの描写は実に面白い。

 そんなさらに落ち込みそうなことが起きているとは知らず、まだ枝を斬ろとしていた獅子丸ですが、それに対し、小助は「そんなに枝を落としたければ、先に全て葉を落としてしまえばいい」と吐き捨てます。
 と、その言葉に卒然と悟った獅子丸!

 まさか言葉通りにするんでは…と思ったらさすがにそんなことはなく(ごめんなさい)、葉を落とさないことに捕らわれすぎていた心を離れ、無心に枝を落とすことだけを想った獅子丸の刀は、見事に葉をつけたまま、枝を落とすのでした。

 人間、挫折したところに、それを乗り越える手段を見せられれば、それにすがってしまうもの。しかしそれはあくまでも手段でしかなく、それに執着したままでは――そして過去の挫折に執着したままでは――立ち上がることはできない
 真面目なだけにその穴にはまってしまった獅子丸、ということでしょうか。

 しかし、無心に挑むことで執着を逃れ、己の真の力を発揮することができた獅子丸はこれで完全復活、沙織・小助との絆も甦り、万全の体勢であります。
(しかしこうして見ると錠之介、難しいことを考えてなかっただけなんじゃ…)

 そして再びドクロンガと対決したライオン丸は、ライオン飛行斬りを破られながらも繰り出した技で見事ドクロンガを粉砕。
 己の悩みを乗り越え、新技のヒントを示してくれた三兄弟に、獅子丸たちは墓を作って報いるのでした。


 これまで数回にわたって描いてきた獅子丸の悩みからの復活、獅子丸・沙織・小助三人の絆、そしてドクロ忍者の意外なドラマ(さらに新必殺技の萌芽まで!)と実に盛りだくさんな今回。
 それをとっちらかさずに綺麗にまとめたのは、敵に三体合体するドクロ三兄弟を配置するという構図が見事にはまったからでしょう。

 結局獅子丸の当て馬になってしまった三兄弟ですが、お墓も作ってもらって、もって瞑すべし、でしょうか。

 そして一度飛騨に戻ることにした獅子丸一行。獅子丸が生きていたことを知った錠之介も獅子丸を追い…さて、いよいよ後半戦も盛り上がってきました。


今回のゴースン怪人
ドクロンガ

 ヅガイ、カバネ、アバラのドクロ忍者三兄弟がゴースンドクロ変化で変身した怪人。骨を長い鎖で繋いだヌンチャクを武器とする。
 ライオン丸を倒して下忍からゴースン直属の配下となることを目指し、一度はライオン飛行斬りを破ったが、再度の対決でライオン丸の新技に敗れた。


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コメント

このあたりから「苦悩するヒーロー」としての獅子丸がめだちはじめましたね。
ドクロ忍者の兄弟、合体変化の怪人まで登場。下忍としての彼らなりの、哀愁まで
描かれる(普通の時代劇でも、下忍などまさに切られ役。一人の人間として描かれる事などまず無い) のがうれしいです。
よく見るとドクロの長兄が、確か原口剛さんと時代劇のベテランさんじゃないすか。
このあたりにもスタッフの方の気合も感じます。

投稿: エージェント・スイス | 2011.05.20 22:07

エージェント・スイス様:
 ドクロ三兄弟、お話上の立ち位置上は、獅子丸復活のかませ的な感じなのですが、生まれも組織上の地位もエリートな錠之介に馬鹿にされたりするシーンが何ともかわいそうで、印象に残ります。この辺りの地に足のついた感覚は、さすがですね。
 しかし獅子丸は憂い顔が似合いますなあ…

投稿: 三田主水 | 2011.05.24 00:12

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