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2011.07.13

「快傑ライオン丸」 第37話「狙われた男 怪人トドカズラ」

 額にキの字の傷があるという木猿を探して黒森山にやって来た獅子丸たちは、その傷を持つ佐吉と出会う。喜蔵爺さんと息子の弥一と暮らす佐吉は、しかし木猿ではなかった。獅子丸は単身木猿を探しに行くが、そこで錠之介と対決、辛うじて相討ちとなる。一方、トドカズラからの脅迫状に、一人指定の場に向かう喜蔵。彼こそが木猿だった。深傷を負った喜蔵の助けでトドカズラを倒す獅子丸。喜蔵は、ゴースンの正体を言い残すのだが…

 果心覚書に記された者を追う果心覚書編も、残すところあと二名。前回、木猿かと思いきや、その弟子だった男から、木猿の隠棲する地を聞かされて向かう獅子丸一行ですが…

 しかし今回、意外にも(?)ドラマの中心となるのは沙織さん。

 腹痛で小助がダウンしたことから、猟師の佐助の元に一夜の宿を借りた一行。額に木猿の目印のキの字の傷を持つ佐助ですが、彼は木猿など知らないといいます。
 と、そんな中で男やもめの佐吉の息子・弥一に慕われる沙織。沙織に母の姿を見る弥一と仲良く遊んでいるうちに、何だか佐吉の方とも良いムードになる沙織――

 と書くと何だか急展開ではありますが、この辺、沙織さんが異常にフォトジェニックに撮られていて、普段とちょっと異なる沙織の心境を演出。
 何よりも、弥一を挟んで向き合った沙織と佐吉の、微妙な目線の動きが見事で、「ああ、急に見えるけどこういう出会いってあるよね」的な説得力は十分なのであります。

 子供番組故に心の動きが表だって描かれることはありませんが、秘められただけにかえって印象深いものがあるのです。

 …いや、感心している場合ではありません。まさかのNTR展開に、潮さん(違)は一体何をしているんだ!
 と思いきや、彼は彼で錠之介にストーキングされておりました。
 滝壺を前に(本当に危なそう)対峙する二人…はいいのですが、獅子丸に手向ける花も用意してきているという辺り、色々な意味で危険な奴です錠之介。

 冗談はさておき、この対決は、変身して文字通り激突した両者が、そのまま滝壺に転落、あっさりとこれまた文字通り水入りしてしまうのが残念ではあります(濡れて毛皮がぺしゃっとなったライオン丸が可愛い…)。

 と、あちこちでドラマが展開していきますが、忘れちゃいけない木猿の正体。
 トドカズラから届けられた木猿宛の脅迫状。おとなしく出向いてこなければ弥一らを殺すというその内容に、姿を表したのは、佐吉・弥一と暮らす老人・喜蔵でありました。

 老人ながら卓抜した吹き矢の腕を持ち、さらに木の枝を操る力までも持つ喜蔵の姿に、これはただ者ではあるまい…と思いきや、やはりこの木猿も強い。
 ドクロ忍者を一蹴し、奇しくも自分同様植物(葛)を操るトドカズラとも互角に勝負を繰り広げます。
 演じるのがベテラン・高品格だけに、(あまり動く方という印象はなかったのですが)その説得力も十分であります。

 しかし老いた身の哀しさ、息切れしたところに深傷を負わされた木猿。
 それでも、ゴースン葛縛りで動きを封じられた獅子丸を、吹き矢で鞭を分断することで助け、その鞭の破片を宙に放って吹き矢を放ち、爆発させるという術でライオン丸を援護して、見事に勝利を呼び込みます。
(今回のトドカズラは、トド+葛という奇怪な組み合わせもさることながら、胴丸を身につけた黒坊主というビジュアルもなかなか良かったのですが…ドラマに押された感が)

 変装してキの字傷を隠していた木猿。いまわの際に、ゴースンの正体を、残る一人・幽斎と言い残すのですが…さて。


 そして、自分たちの後をついてくる弥一に心動かされる沙織。
 ここで獅子丸は、弥一のような母のない子を作らないためにも早くゴースンを倒さねばならないと沙織を強く諭し、別れさせるのですが、この辺りの固さ、乙女心への無頓着さが獅子丸の青さだなあ…と妙なところで感心いたしました。


今回のゴースン怪人
トドカズラ

 葛で出来た鞭を操る怪人。その鞭で相手の動きを封じるゴースン葛縛りを使う。呪文を唱えて自分の刀に葛を生やすことも可能。
 ゴースンの命で木猿を襲い、深傷を負わせるが、その木猿の援護を受けたライオン丸に倒された。やはりタイガージョーと仲が悪い。


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コメント

この回から監督になる中西さんというのは、私にとっていまだに謎の監督です。多分「シルバー仮面ジャイアント」の助監督だった中西紘四郎さんと同一人物だと思うんだけど、今回と次回の映像へのこだわりはちょっと異常。この方に限らず、助監督が監督になったときの映像への美学は当時の特撮ものの特徴で……などという話は、まあ伝奇とは関係ないですからね。中西監督の多分最後の作品は「ザボーガー」の七話八話なので、見てみるとよいと思う

投稿: 株式会社フィクション | 2011.07.13 11:16

高品さんのようなベテランが、ライオン丸にでてられたのは驚きました、しかしやはり沙織ファンの私には、たまらん話です。何か
初めて彼女主役の話だったし、弥一さんとのやりとりが何とも....何か美人になってきましたし(笑)、この話は、沙織さんが全く敵と戦う場面がないという異色作(!)トドがモチーフという珍しい(ウルトラQのトドラぐらいしか記憶ないですが)トドカズラが
かすんだような異色話ですね。


投稿: エージェント・スイス | 2011.07.14 22:33

株式会社フィクション様:
貴重なお話をありがとうございます。
確かに、例えばライオン丸の手元から映されたフィニッシュシーンなど、一目でわかるほどインパクトがありますね。助監督が…というのも、興味深いお話です。
伝奇ものは抜きにして、ザボーガーはちゃんと見たいですね。

エージェント・スイス様:
高品さんのこともトド怪人のこともすっかり頭から抜け落ちたほどの沙織さんのインパクトでしたね。
弥一に向かってほっぺたを膨らませて見せるシーンの可愛さたるや…

投稿: 三田主水 | 2011.07.18 22:34

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