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2011.07.18

「歴史人」2011年8月号 忍者特集にかつての気持ちを

 KKベストセラーズ発行の雑誌「歴史人」誌の8月号は、なんと保存版特集「忍者の謎と秘史」。
 果たして誰向けの特集なのかしら…と思いつつ、早速私は購入してきた次第です。

 「歴史人」は、比較的高年齢層をメインターゲットとしたカルチャー誌「一個人」の兄弟誌。結構まじめで落ち着いた印象のある「一個人」ですが、その兄弟誌が忍者…と少々驚きましたが、しかし蓋を開けてみれば、これがなかなかに面白いのであります。

 この特集は全5部構成。
第1部 歴史に名を残した忍者傑物列伝
第2部 忍者の歴史と系譜
第3部 戦国武将を支えた忍者軍団の全貌!
第4部 3大秘伝書にみる「萬川集海」「正忍記」「忍秘伝」の奥義公開
第5部 忍者が暗躍した戦国合戦の裏側に迫る!

 それぞれのタイトルを見れば、内容はほぼ予想できるかと思いますが、大体その通りで、内容的には(忍者好きにとっては)さまで珍しいものではありません。
 しかし、それでも「おっ」と思わされるのは、実に100ページ以上の特集のほぼ全ページが、オールカラーで、豊富な図版を掲載している点であります。

 それが最もよく現れているのは、第4部でしょう。
 他の部分が、歴史上の忍者、歴史と忍者との関わりを描いているのに対し、この第4部は、忍者とその用いる術そのものを対象とした部分であります。

 「萬川集海」をはじめとする忍術秘伝書の内容を(ごく一部とはいえ)目にすることができるのも興味深いですが、それ以上に楽しいのは、忍具や武器が豊富にビジュアライズされているのが実に楽しい。
 忍者好きにとっては、珍しい内容でなくとも、しかしそれがカラーで、大きめの図版で一つところに掲載されているのを見るのは、やはり心躍るものがあるのです。

 そして、この心躍る、というのが、この特集の最大の価値であり、目的のように感じられるのです。
 いかに歴史ファン向けの雑誌とはいえ、今回の特集を目にする方の中で、大人になっても忍者好き、忍者マニアというのは、それほど多くないでしょう。

 しかし、かつて忍者の存在に、忍者の活躍に心躍らせたことはきっとあるはず。
 そんな方に、概説的ながらわかりやすくビジュアライズされた今回の特集は、かつての気持ちを思い出させてくれたのではないでしょうか。


 …などと言いつつも、忍者好きにとってもやっぱり今回の特集はやはり保存版。
 見ていて純粋に楽しいのはもちろんのこと、全国三十数都府県に残る忍術流派・忍者呼称をまとめた忍者全国分布図のような珍しい企画もありますし、豊嶋泰國の呪法・早九字記事などもありますしね。


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歴史人 2011年 08月号 [雑誌]

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