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2011.07.10

「スーパージャンプHigh」歴史特集号(その二)

 「スーパージャンプHigh」歴史特集号の個人的に気になった作品紹介の後半であります。

「惡の鐘声 源平合戦異聞」(夏目義徳)
 伝奇ものにもしばしば登場する平家の武将・悪七兵衛景清の少年時代を描いた作品であります。
 異形の右腕を持つことから周囲に疎んじられる景清が、ただ一人分け隔てなく接してくれる平教経とともに、都を騒がす怪人・弁慶に挑むのですが…

 自らをうちひしぐことが出来る主を求めて凶行を重ねる弁慶と、人並み外れて強大な右腕の力を持てあます景清。二人の姿を、アクションの中で対比させた作品ですが、景清の異常に巨大な手と、彼が子供の頃に清盛にかけられた「お前はその手で何を掴む?」という言葉を掛けて物語の背骨とすることで、読み応えのある作品となっています。

 弁慶といえば…の人物が意外な形で登場するどんでん返しも面白く、この増刊で一番良くできた作品という印象があります。

 そして、悪鬼ではなく人であることを選んだ景清の選択が、後の平家の敗北の遠因となり、そしてそれがさらに彼を悪鬼に変えるという皮肉な捻りも面白い。
 来年来るであろう源平ものの波に乗った続編に期待します。


「水戸黄門外伝 佐々介三郎」(橋本孤蔵)
 助さんのモデル・佐々介三郎宗淳が、調査の旅の途中で遊女の幽霊と出会って…という趣向の一篇。

 橋本孤蔵と言えば、やはり「慶太の味」の印象が強く、当然、本作のそういう方向のアレを期待したのですが(するな)、介三郎が肉体美を披露する相手は遊女ならぬ遊女の幽霊、すなわち幽女なのがちと残念(?)。

 内容的には、何者かに殺された幽女に身の上話を聞かされた介三郎が、犯人を見つけ出し、幽女も色々な意味で昇天と、まずは定番の展開だっただけに、もう少しインパクトが欲しかったところです。
 介三郎のジューシィな髭ダルマぶりはそれなりにインパクトがありましたが…


 と、収録作のうち、五篇を駆け足で紹介いたしましたが、ベテランの作品あり新人のデビュー作ありと、いかにも増刊らしい楽しさがある一冊かと思います。
(ちなみに、克・亜樹は、大奥を舞台とした色道初めて指南ものを掲載。そのあまりのブレのなさに感心いたしました)

 残念なのは、あくまでもテーマ増刊ということで、次回は歴史特集ではないことなのですが…母体となる雑誌が統合というのも不安材料ですが、いずれまた、何らかの形で歴史特集が帰ってくることを期待しましょう。


「スーパージャンプHigh」第01号(集英社スーパージャンプ特別編集増刊) Amazon
スーパージャンプHigh歴史号 2011年 8/1号 [雑誌]


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