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2011.08.30

「石影妖漫画譚」第4巻 もはや納得のバトル展開

 絵に描いた妖怪を実体化させる筆を持つ妖怪絵師・烏山石影が巻き込まれる奇怪な妖事の数々を描く「石影妖漫画譚」の第4巻であります。
 第2巻から長きにわたって物語を騒がせてきた人斬り・入間亜蔵との戦いもようやく決着。ここで新章に突入であります。

 刀も帯びぬ状態で、犠牲者を――一滴の血も零さずに――両断するという奇怪な凶行を繰り返す入間。
 明らかに人外の力を操ると思しき入間に興味を引かれてた石影は、入間を追う火盗改長官・中山に協力することになるのですが、入間の力は想像以上、さらなる犠牲を出した末に、石影は入間と最後の決闘に臨むこととなります。

 一度に描ける妖怪の数は三体まで、という限界ギリギリで挑む石影。石影や中山に追い詰められた末に、新たなる能力に目覚めたという入間。
 二人の戦いの行方は…ここに来て、なかなか面白い能力バトルとなった感があります。

 能力バトルの醍醐味は、それぞれがどのような能力を繰り出すか、という点はもちろんのこと、その能力にどのような弱点を付与し、それを如何に突き、守るかという攻防の点にあるかと思います。
 その意味では、ここで描かれた入間の最後の能力は、ビジュアル的なインパクト(馬鹿馬鹿しさ)と威力、そしてそれと表裏一体の弱点の存在と、十分に合格点でありますし、それに対する石影の対応も、絵師という彼の能力を活かしたもので納得であります。
(そしてまた、石影が最後に挙げた入間の罪も、意表を突いたようでいて説得力があるのがよろしい)

 入間へのとどめを刺した人物については、やり過ぎ感もあるかもしれませんが、バトルものだと思えばこれも十分許容範囲。というよりむしろ、よくやってくれた、という印象すらあります。


 そして物語は新章へ。
 入間との戦いで受けたあるダメージを回復すべく、石影は毛羽毛現と共に、彼女の妹である毛倡妓に会いに行くのですが…
 石影画の人造妖怪が多い本作には珍しく(?)毛倡妓はベースがある妖怪でありますが、本作での毛倡妓は、何とツンデレツインテール妹キャラ。

 ロリババァの毛羽毛現と並び、またキャッチーなキャラが出てきたものですが、しかし背景となる設定自体は(ある種定番ではありますが)それなりに重く、また彼女につきまとう新キャラの退魔僧のキャラも含めて、なかなか面白い存在ではあると思います。

 長かった入間編を経て、独自のカラーというものがようやく見えてきたやに感じられる本作。
 時代もの、妖怪ものとしての突っ込みどころは山のようにあれど(少なくとも、火盗改の連中の髪型の無茶苦茶ぶりだけは本当にひどい)、バトル人情もの(?)としてどこまでいけるか、ここまで来たら見届けたいと思うのです。

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