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2011.09.28

「快傑ライオン丸」 第48話「傷だらけの殺し屋 怪人マフィアン」

 怪人マフィアンに育てられた娘・加代は、病身の彼を案じ、代わって獅子丸と戦おうとする。女や病人と戦えぬと苦慮する獅子丸だが、襲ってきたマフィアンの右腕を切り落としてしまう。その夜、返り血を浴びた小助が苦しみ出し、マフィアンに操られるように獅子丸に襲いかかる。小助を救うために覚悟を決めた獅子丸は再度の戦いでマフィアンを討ち、加代は獅子丸の説得空しく、自決するのだった。

 冒頭でこれまでのゴースン八人衆との戦いがダイジェストされますが、早いものでもう後半戦の五人目。しかしここに来て、恐ろしいまでの変化球が飛んできます。

 五人目の刺客・マフィアンは、しばしば戦いもおぼつかぬほどの咳に襲われる病に冒された怪人。そして彼を「おじさま」と呼び、寄り添うのは、幼い頃に拾われ、育てられた娘・加代――
 作中で小助が「病人や女まで使うようになったか」と身も蓋もなく呆れる台詞がありますが、しかしそれが一番恐ろしいとは…

 冒頭、咳き込むマフィアンを見るに見かね、網タイツの戦闘ルックで獅子丸に襲いかからんとする加代。
 と、獅子丸に代わって加代の前に立ち塞がったのは、沙織さん。得意の縄を使って加代に挑む沙織の態度はむしろ不敵で、単純に相手が女性のためか、はたまた怪人に育てられた加代に、裏返しの自分の姿を見たか、とにかくいつになく迫力十分であります。
(見るに見かねた獅子丸が戦いを止めてもまだエキサイトする沙織さん)

 そこに現れたマフィアンは加代を殺さなかったことに礼を言いつつ、獅子丸に挑もうとしますが、目の前で咳き込んで倒れるような相手と戦える獅子丸ではありません。
 しかし、突然襲いかかって来たマフィアンの右腕を思わず切り落としてしまい、その血は小助の手に降りかかるのでした。

 一旦去って行ったマフィアンと加代。しかしその晩、小助は熱を出し、腕が痛いとのたうち回ります。
 やがて、腕がマフィアンのものに変貌した小助は、顔までも隈取りメイクに変じて獅子丸を襲撃。かろうじてこれを抑え、縛り上げる獅子丸ですが、今度は悶え苦しむ小助の姿に、沙織が取り乱すことに…
(ここで珍しく沙織に平手打ちを喰らわす獅子丸)

 さて、治療法を求めてマフィアンの元に向かう獅子丸の前に現れた加代(女は相手に出来ないという獅子丸に、病人なら相手にできるのかと精神的に追い打ちをかける!)
 何とか加代の攻撃をかわし、マフィアンの前に立つも、マフィアンは横になった姿勢から動かず――
 それでも獅子丸は変身し、一歩一歩近づいていくのですが…ここに勇壮な主題歌がかかるという演出にしびれます。

 しかしさすがに八人衆、ようやく立ち上がったマフィアンはその実力を発揮。得物の熊手で巧みにライオン丸の腕を封じ、咳き込んだと見せかけて口から手裏剣など、獅子丸を翻弄します。
 しかし片腕で病身の哀しさ、残る片腕も斬り飛ばされマフィアンは倒れるのでした。

 マフィアンに駆け寄り泣き叫ぶ加代。彼女に対し、ライオン丸は「ゴースンを倒すためなら何でもやる。しかし加代さんは生きて欲しい」と語りかけるのですが――
 しかしその想いは空しく、己の胸に刀を突き刺し、倒れる加代に、ライオン丸はただ背を向けて耐えることしかできないのでした。

 病人と女というのは、およそ戦闘には向かない組み合わせ…という以前に、正義のヒーローとしてはたとえ敵であっても刃を向けにくい相手。
 それを敵として繰り出してくるとは――ゴースン、というよりピープロの容赦なさに脱帽であります。
 そしてまつしまとしあき脚本によるこの重すぎる展開を、時にアップ、時にキャラクターの主観視点、時にカメラを頭上に移動させながらと、様々なカメラワークを駆使する中西源四郎監督の演出もさすがと言うべきか。
 二人の墓を建てて去っていく獅子丸一行の胸中や如何に…


今回のゴースン怪人
マフィアン
 幼い頃に拾った人間の少女・加代を娘のように可愛がる怪人。熊手を武器とし、その返り血を浴びた者は、マフィアンに操られる。病に冒されており、しばしば咳き込む。
 ゴースンによるライオン丸抹殺の命に、病身を押して登場、様々な手段で獅子丸たちを精神的・肉体的に追い詰めたが、執念空しく倒された。


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コメント

いやあ、沙織ファンにとってはある意味一番辛い回です。旦那さん....いや獅子丸さんからまさかの平手打ち...まあ、仕方ないかな。小助があんな姿にされたのも、ショッキング。腕をきろうとするのが泣かせます。しかし加代の沙織とのくノ一対決、ある意味最凶の敵といえるマフィアンなど、快傑の傑作の一つですな。錠之介が出ないのも、話の流れには、合ってるが驚きです。

投稿: エージェント・スイス | 2011.10.01 22:01

エージェント・スイス様:
本文にも書きましたが、最初に加代と対峙した沙織さん、えらいエキサイトぶりでしたよね…小助の腕のことは、台詞だけでサラッと流されたのでわかりにくかったかもしれませんね。
マフィアンという名前は、嵐の「ゴーストファーザー」と同様、間違いなく時期的なものだと思いますが、その名前に似合わず(?)本当に良くできたお話でした。

投稿: 三田主水 | 2011.10.02 22:25

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