「新選組刃義抄アサギ」第6巻 更なる陰謀の刃!
「新選組!」「龍馬伝」の時代考証家・山村竜也が原作を、漫画版「天保異聞妖奇士」の蜷川ヤエコが作画を担当する「新選組刃義抄 アサギ」も、早いものでもう第6巻。
第4巻・第5巻はちょっとイイ話系の内容でしたが、この第6巻で、再び試衛館組は死闘と陰謀の渦に巻き込まれることとなります。
幾つもの困難を乗り越えて、晴れてアサギ色の羽織を纏った新選組の面々に与えられた新たな任務は、公卿・姉小路公知の警護。
しかし、その姉小路卿を狙うのは、あの桂小五郎一派。さらにその中に、岡田以蔵・田中新兵衛ら人斬りも巻き込まれていくこととなります。
そもそも、警護する側である新選組――というより試衛館組――の方も、平助が総司へのコンプレックスで暴走しかかっている中に、桂のスパイであり、これまでも数々の陰険な陰謀に関わってきた佐伯又三郎&斎藤一が暗躍し、何が起きるかわからない状態。
さらに、平助の暴走が何とか収まったかと思えば、今度は、新選組への執着と責任感が、公知を狙って現れた以蔵との対峙で暴発した総司が大暴走いたします。
本作での、いや、それまでの沖田総司像を覆すかのような、野獣のような表情で戦う総司の姿はただただ圧巻。
決して綺麗事では済まない幕末像を描いてきた本作ですが、総司の姿は、彼もまたその例外では決してないのだと教えてくれます。
(そしてまた、良い意味で汚い殺陣の、なりふり構わない総司と以蔵の死闘を躍動感たっぷりに描く作者の筆が素晴らしい!)
しかし、桂の奸計は、暗殺の手を幾重にも巡らせます。
乱闘の中から、公知をただ一人連れて脱出したのは、斎藤一。しかし言うまでもなく彼の繋がる先は…
と、ここからの展開は本当に二転三転、公知の辿る運命は歴史の示すとおりですが、しかし何故そのような結果となったのか――
実はそれは、この巻ではわかりません。あの場面から、何故こうなるの!? と、この巻の引きには驚かされること請け合いであります。
そしてそんな意外な展開の一方で、上記の平助や総司以外のキャラクター――それも敵方に当たる以蔵や新兵衛にも、彼らなりの葛藤が、ドラマが丹念に描かれるのもまた、本作の魅力でありましょう。
オーソドックスなようでいて、何が飛び出してくるかわからない新選組物語、いや幕末群像劇…これほど先が読めないのは、この巻が初めてであります。
と、恒例(?)の巻末番外編、今回は左之助と新八の出会いに、さらに月岡芳年が絡むという楽しいエピソード。
なかなか本編の方ではメインに絡みづらいながらも、キャラ立ちの点では屈指の二人だけに、こういう番外編は良く似合います。
本編で重い展開が続くだけに、こういうところでホッとさせてくれるのは良いですね。
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