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2011.10.13

「秘剣柳生十兵衛」 帰ってきた柳生無頼剣!

 江戸・尾張を舞台とした常夜衆との死闘から二年、柳生十兵衛は一人各地で常夜衆との暗闘を続けていた。そんな中、常夜衆に襲われていた少女・るなを助けた十兵衛は、いきがかりから宮本武蔵、謎の女・ときと共に旅することとなる。その前に現れる常夜衆玄武と青龍。果たして常夜衆の真の企みとは…

 何だか当たり障りのないタイトルですが、本作はリイド社SPコミックから全2巻で刊行された「柳生無頼剣 鬼神の太刀」の続編。
 「コミック乱ツインズ」誌には、「柳生無頼剣 闇狩の太刀」のタイトルで連載されていた作品であります。

 幕府転覆を企む謎の一党・常夜衆との死闘の果て、幹部の白虎を倒してひとまずは敵の陰謀を阻んだ十兵衛。
 それから二年、一人孤独に常夜衆残党を討つ旅を続けていた十兵衛が、新たに巻き込まれた事件が、本作では描かれます。

 常夜衆に狙われる少女・るなを偶然助けた十兵衛は、るなに付き添う三味線弾きの旅芸人・ときや、強敵を求めて強引に十兵衛に同行する宮本武蔵(物知り)とともに、常夜衆との死闘を繰り広げることとなります。

 十兵衛の前に立ち塞がるのは、無敵の肉体を誇る玄武、そして幻術と配下の騎士団を操る青龍、二人の幹部。
 彼らとの戦いの中、常夜衆の驚くべき正体と、その巨大な陰謀の正体が、暴かれていくこととなります。

 前作も、非常にスピーディーな物語展開の中で、異形の敵との剣術バトルが展開される伝奇活劇ですが、本作もスピード感と伝奇度は、前作に勝るとも劣らぬ充実度。

 玄武と青龍、タイプの異なる二人の強敵(おや、白虎に玄武・青龍と来たら…?)を擁する常夜衆に挑む十兵衛たちの戦いは、十兵衛とはまた異なる剣を操る武蔵の登場もあって――もっとも、本作の武蔵はかませ犬度が異常に高いのですが――盛り上がります。
 また、敵の秘密兵器や、常夜衆の始祖の正体などの伝奇パートも、バタフライ・エフェクトまで飛び出してきて、なかなかに賑やかで、最後まで楽しませてくれました。

 しかし残念なのは、物語開始時には、死闘の連続にかなり荒んでいた――頑是無いるなを囮に使って常夜衆をおびき寄せようとするなど――十兵衛が、その人間性を徐々に回復させていくというドラマ部分が、今ひとつはっきりしていない点で…
 連載が始まった際、「おっ、これは一体どうするのかな?」と思ったこの要素が、物語が進むにつれて自然に解消した(ように見える)のは、何とも勿体ない印象があります。


 とはいえ、それよりももっと残念なのは、本作が「柳生無頼剣 鬼神の太刀」の続編であることが、ほとんど全くアナウンスされていない点であります。
 連載作品が単行本化されないことすらある中で、改題した上にコンビニコミックとはいえ、こうして一冊にまとまったのは、非常にありがたいことなのですが、しかし、例えばtwitterの公式アカウントで教えてくれても良かったのでは…と感じました(最近はコンビニコミックも紐が掛かっていることも多いですし)。

 最近では少なくなった真っ向正面からの時代伝奇アクション漫画であっただけに、この扱いは正直なところ残念なのです。

「秘剣柳生十兵衛」(岡村賢二&太田ぐいや リイド社SPコミックスSPポケットワイド)


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