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2011.10.30

「UN-GO」 第03話「覆面屋敷」

 7年前、強制捜査の最中に爆死した人工知能研究者・佐々駒守。常に覆面で顔を隠していた駒守には、同様に顔を隠す養子の風守がいた。その風守が、奇怪な焼死を遂げた。駒守の呪いが囁かれる中、梨江の依頼で新十郎は佐々家を訪れる。海勝は駒守の妻・糸路と弟の木々彦の犯行と推理するが、風守には意外な秘密があった…

 さて「UN-GO」第3話は、原案の第9話「覆面屋敷」と第5話「万引一家」をベースとしたエピソード。
 第2話では、原案を大胆に解体して本作ならではの物語を見せてくれましたが、今回は人物配置など、かなり原案(「覆面屋敷」の方)に近いものがあります。

 ここで毎度のことですが「覆面屋敷」との人物配置を比較してみると…(「万引一家」については後述いたします)

(本作/原案の順)
佐々風守(佐々家の養子で後嗣。覆面姿)/多久風守(佐々本家の後嗣。覆面姿で座敷牢に暮らす)
佐々駒守(人工知能の研究者。故人。覆面姿)/多久駒守(風守らの祖父で多久家の重鎮。存命。覆面姿)
佐々糸路(駒守の妻)/多久糸路(駒守の子の後妻)
佐々木々彦(風守らの叔父。佐々家を実質的に支える)/多久木々彦(風守らの叔父。分家の道楽息子)
佐々光子(風守の異母妹)/多久光子(風守の異母妹)
佐々文彦(風守の異母弟)/多久文彦(風守の異母弟)
多久英信(風守の住み込みの主治医)/英信(佐々家の菩提寺の子。風守の学友)

 というわけで、佐々家と多久家の違いこそあれ、かなり近い配置であることがわかります。
(ちなみに多久ではなく佐々となったのは、同じ「安吾捕物帖」を原作としたTV時代劇「新十郎捕物帖・快刀乱麻」の脚本家である佐々木守を念頭に置いたものではないかと)

 もちろん、人工知能RAI――このネーミングは、「万引一家」で大きな意味を持つ病名からでしょう――の存在は本作ならではのものですが、名家の覆面の跡取りが焼死体となって発見される、という事件の内容はそのまま。
 大きく異なるのは、原案では事件の時まで存命であった駒守が、本作では7年前に爆死しているということですが――


 と、ここで一旦事件から離れ、新十郎サイドに目を転じると、ここ初めて彼の生活…というか住処らしきものが描かれることとなります。
 かつての「戦争」で荒廃し、おそらくは復興が放棄された新宿の立ち入り制限区域。その、倒壊したビル群に住み着いた人々の中に、新十郎と因果も暮らしているようであります。

 そして、この地区を訪れた梨江の回想の形で、かつての「戦争」の一端が描かれることとなりますが――南新宿のビル群がテロで崩壊し、道路を戦車が走る姿には、個人的に見慣れた風景であるだけに、非現実感と現実感が入り交じった不思議な印象を受けた次第です。

 それにしても、(月刊ドラマ掲載の脚本を見た限りでは)第2話の歌舞伎町でマニア連がこちらがわの現在とほとんど変わらぬ生態を見せているすぐ近くで、この惨状とは…と一瞬思いましたが、なんのことはない、3月以降の現実の姿もあまり変わらないですね…


閑話休題、事件の方に戻ると、今回は、ラストで風守に関するあまりに意外な(?)事実が明かされ、次回に続く、となります。
一見、これで事件は解決されたようにも見えますが、そうではないのは言うまでもないお話。事件の犯人と犯行方法はもちろんのこと、
・殺されたのは誰なのか?
・何故いま事件が起きたのか?
・7年前の事件と関係はあるのか?
・そもそもRAIのどこが新情報拡散防止法違反なのか?
などなど、謎はまだ幾つも残っています。

 どうやら、原案の「万引一家」の方は、舞台や登場人物ではなく、この辺りの真相に関係してきそうですが…(それ故、「万引一家」の内容には第4話の感想で触れたいと思います)
 正直に言って、原案読者でも今回の謎はかなりの強敵。泉さん(というより原案の虎さん)の気持ちがよくわかる気がいたしますが…さて。


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